保守分裂「小池氏vs.増田氏」共同会見で静かな火花 宇都宮氏は出馬を撤回
14日の東京都知事選の告示を前に、有力候補者4人を招いての「東京都知事選候補者・共同記者会見」が13日、東京・千代田区の日本記者クラブで開かれた。「保守分裂」選挙となる自民の小池百合子・元防衛相、増田寛也・元総務相(自民・公明推薦)の両候補は討論を通して静かな火花を散らせ、野党4党統一候補として出馬するジャーナリスト鳥越俊太郎氏は自らの体験をもとに公約として「がん検診100%」を掲げた。前回選挙で共産・社民の推薦を受けた宇都宮健児・元日弁連会長は「現段階」では出馬の意思に変わりはないとしたものの、会見終了後に出馬取りやめの方針を明らかにした。 【写真】「後出し」「分裂選挙」都知事選の歴史を振り返る
「冒頭解散」発言をめぐり応酬
「気になるのは都議会の冒頭解散という主張です。自民党都連とか、それを都議会のボスが支配しているというのは自民党会派の中というか都連の中のことだと思うんです。知事と都議会という二元代表制のもとで、いきなり解散という形で議論を提起していくと、ただでさえ遅滞している都政の課題がさらに遅れ、停滞と混乱がさらに継続してしまう」 主催者側による4候補への個別質問に続いて、各候補が他の3候補のうち1人を指名して質問するという形式に移った際、増田氏は「保守分裂」の相手候補の小池氏を指名。小池氏の公約である「冒頭解散」に疑問を投げかけ、「きちんとした議会との対話、緊張感のある議論を議場を中心にやっていくべきではないか」と主張した。 これに対し小池氏は「都知事選において都議会との関係がこれほどクローズアップされたことはなかったのではないか」と切り出し、「その意味では言葉足らずの部分はあったかもしれませんが、冒頭解散というのは大変ショックな(選挙戦の)スタートになったかと思います」と述べた。 続けて小池氏は自民党都連に批判の矢を向け、こう訴えた。 「都連の一員になってからさまざまな決定が、結果が出た後に知らされるということが多かったし、私は都連の会長代理ですが重要な会議に呼ばれないこともしばしばでした。そうしたデュープロセスの不透明さは何度も指摘してきました。そこと喧嘩してどうするんだということですが、(都連が推薦した)猪瀬氏、舛添氏の相次ぐ途中辞任はまた何かのきっかけで起こる可能性は十分にあると思います。ここ(都連)に的を当てて考えないと同じ事を繰り返すことになる。声は上げないけれども同じ考えを持っている人はほかにもいるはずです」