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ボーダレス・ジャパン、「1%寄付」で再エネ促進へ

配信

オルタナ

約40種類に及ぶ多彩な事業で様々な社会課題を解決するソーシャルビジネスの雄、ボーダレス・ジャパン(福岡)がついに電力の小売り事業に乗り出した。サービス名は「ハチドリ電力」。森火事を消すためハチドリが一滴ずつ水を垂らしたという南米アンデス地方に伝わる物語のように、契約者は毎月の支払い額の1%をNPOへ寄付する仕組みだ。陣頭指揮を執る田口一成社長に戦略を聞いた。(聞き手・オルタナS編集長=池田 真隆)

――日本では一般家庭で電力を切り替えた割合は20%程度です。ハチドリ電力をどのように販売していこうとお考えでしょうか。 田口:地球環境のことを知ったら電気を「切り替える」ことを真剣に考える人がほとんどでしょう。ただ、実際に切り替えた家庭はわずか2割です。これは、発電による環境負荷の大きさが国民にちゃんと伝わっていないことが大きい原因ですが、それに加えて「電気を変える目的」をさらに強化して提示することが大切だと思っています。 ――電気を変える目的とは何でしょうか。 田口:何かの目的のために、手段として電気を切り替える、ということです。電力の切り替えは手間がかかると思っている人がいるかもしれませんが、実際はWEB上で5分程度で済みます。特別用意する必要があるものは、検針票ぐらいです。 ですが、現実はそれでも、興味はあるけど面倒くさいと感じる人はいます。ですから、その人のやりたいこと、つまり、「ウィル」に結び付けることが重要なのです。

――ハチドリ電力では、NPOへの寄付を提供することでウィルとつなげたというワケですね。 田口:そうです。善意のモヤモヤを形にできるサービスにしました。多くの人は自分の周りに、関連のある社会課題がないわけではない。その課題に取り組むいい団体も知っている。けれども、毎月の寄付はハードルが高いという人も多い。 そこで、支払い代金の1%から寄付を始められるようにしました。現在は16の社会活動家やNPOなどからご契約者が寄付先を選べるようにしていますが、すでに60団体が決まっています。今後は社会的事業を行う企業との連携なども考えています。 ――ということは、ハチドリ電力で目指すのは、電気の切り替えを通して、NPOへの支援を増やすことでしょうか。 田口:私が2007年に会社をつくって、初めて考えた事業のビジネスモデルは、NPOなどの社会的事業にお金を回すものでした。13年経って、そのモデルに電気というインフラを使って取り組みたいと思います。 地球温暖化において、co2が寄与していると世界中の科学者が警告しています。石炭や火力発電への投融資をやめる「ダイベストメント」の動きが世界で起きているのに、日本はいまだ増設の方向。世界と逆行しているこの状況に、非常に強い危機感を持っています。 自然エネルギーをできるだけリーズナブルに提供するために、電気代からは一切利益をとらないことにしました。うちの収益は月会費の500円のみです。 電気の調達価格は市場に連動して変動しますので、安くなることもあれば高くなることもあるので、どれだけ電気を使っても自分たちの収益を500円/月に抑えることで皆さんに納得感を持って契約してもらえるようにしています。

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