《生まれ変わっても私のままで…》急逝の中山美穂さん、追い求めた自由な生き方と「等身大の恋」 最近は妹・中山忍と「結婚はもういいかな」と言って支え合っていた
元トップアイドルの突然の訃報に日本中が悲しみに包まれた。中山美穂さん(享年54)が12月6日の正午過ぎ、自宅の浴室で亡くなっているところを所属事務所スタッフに発見された。8日に死因・身元調査法に基づく解剖が行われ、所属事務所は入浴中の不慮の事故だったと発表した。一時代を築いたスターの人生をたどる。【前後編の後編】 【写真】元夫で作家の辻仁成氏とのツーショット。他、過去に交際していた音楽家の渋谷慶一郎氏やベーシストの永田雄樹氏とのツーショットなども
「恋に恋してる恋じゃない」
中山さんは1982年、中学1年生のときに東京・原宿でスカウトされて芸能界に入った。幼い頃からキャンディーズやピンク・レディーに憧れ、歌手になることを夢見ていたという。中山さんの宣伝担当を務めた元キングレコード常務取締役の竹中善郎さんが言う。 「当時はアイドル全盛期。大勢の子がオーディションを受けに来ましたが、元気よく『おはようございます!』と言う子が多い中で、彼女は物静かで口数も少なかった。目鼻立ちのハッキリした顔と寡黙な雰囲気がアンバランスだなと思ったのを覚えています。 当時は事務所もまだ小さかったけど、レッスンを真面目に受けて、デビューに向けて一生懸命やっていました。言葉にこそしないものの『私は負けない』という気持ちがこちらにも伝わってきたほどです。過労で倒れたこともありましたが、芯が強く、決して弱音を吐くことはありませんでした」 生い立ちは複雑で、実の父親の記憶はほとんどない。親戚や祖母の家をたらい回しにされ、引っ越しや転校を繰り返した。中山さんは一時期、離れて暮らしていた母親への思いを著書『なぜなら やさしいまちが あったから』で次のように振り返っている。 《私は母に対する幼少期の記憶があまりない。母なりに一生懸命生きていくために私はあらゆる家に預けられていた。ほんの数枚のモノクロ写真に写る、母に抱かれた自分を見ては、そこに自分なりの物語を思い浮かべていた》 もっとも、14才で芸能界に入ってからは忙しい日々が続き、境遇を悩む時間はなかった。 「ブレークのきっかけは1985年に出演したドラマ『毎度おさわがせします』(TBS系)でした。髪を脱色し、自分を“オレ”と呼ぶ不良少女役が話題を呼び、オンエアの翌日からファンに追い回される怒濤の日々が始まったのです」(芸能リポーター) 同年、シングル『「C」』で歌手デビュー。当時は「おニャン子クラブ」を中心に大人数のアイドルグループがもてはやされていたが、“ミポリン”の愛称で親しまれた中山さんはソロでも存在感を発揮し、浅香唯、工藤静香、南野陽子と並び「アイドル四天王」と呼ばれた。 子供の頃からの夢は叶ったが、多感な時期に事務所から恋愛を禁止されたことに中山さんは反発した。1988年に、旧ジャニーズ事務所のトップアイドルだった田原俊彦(63才)との“半同棲”をスクープされ、「(田原は)白馬に乗った王子様。仕事をやめたら、きちんと家庭に入るのが合っていると思う」と結婚願望を打ち明けている。 「1991年には事務所に無断で2人でハワイ旅行に出かけたことも大きな話題になりました。当時は20才になったら芸能界を引退することも考えていたそうで、恋をしていることを隠そうともしない。その後も大胆な行動を繰り返していました」(前出・芸能リポーター) 田原とはハワイ旅行の後に破局したが、同年、自身のヒット曲『Rosa』を手がけた作曲家との“熱愛”が発覚。そのときも、中山さんはマイペースを貫いた。 「交際をとがめるマネジャーと激しい口論になることもあったそうですが、『恋に恋してる恋じゃなく、等身大で恋をしている』と大胆発言。その後もサッカーの元日本代表の中田英寿さん(47才)との深夜デートが目撃されたり、有名スタイリストと結婚秒読みと報じられるなど、多くの恋愛を経験してきました」(前出・芸能リポーター) 女優としても高く評価されていた中山さんは、1989年に『君の瞳に恋してる!』(フジテレビ系)に主演して以降、“月9ドラマ”の常連となり、本格的な女優に転向してからは、いっそう自由な生き方を追い求めるようになった。
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