山写真からこの夏の行き先を決める!北アルプス 私のベストルート
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アウトドアライター/麻生弘毅 普段、緊張感のない登山をしているからか、大キレットの印象は鮮やか。年に……3年に一度くらいは、心と体を整えて臨むような登山もよいものですね。
【ルート4】こんな美しいところが日本にあったなんてと感動した
折立→薬師峠キャンプ指定地(泊)→北ノ俣岳~黒部五郎小舎(泊)→三俣蓮華岳~三俣山荘(泊)→鷲羽岳→水晶小屋→赤牛岳→奥黒部ヒュッテ→東沢出合キャンプ地(泊)→平ノ渡場→黒部ダム。 北アルプス南部のなかでも奥地にそびえ、登山最盛期でも混み合うことなく静かな山歩きができるのが黒部五郎岳ではないだろうか。 ここを訪れたのは、ある取材のルート上にあって通過点にすぎなかったけれど、その美しさには正直言葉を失うほどだった。ダイナミックなカール地形や巨岩が立ち並ぶ景観、稜線直下に流れる清流、お花畑などを見て、それまで北アルプスのさまざまなルートを歩いたことがあったが、こんなにきれいなところが日本にあったのかと感動したことをよく覚えている。 このときはルートは折立から入り、北ノ俣岳、黒部五郎岳を経て、人気エリアの三俣山荘周辺を抜け、鷲羽岳、水晶岳、そして赤牛岳から黒部ダムへつづく読売新道を4泊5日で歩いた。どこも北アルプスらしい展望だったが、なかでも太郎平から黒部五郎へと至る長大な稜線はでっかい山をつないで歩いているという実感があってよかったし、最後に登頂した赤牛岳は、花崗岩の赤茶けたザレ場が印象的で、悠々と山容が大きかった。子どもたちにも縦走に行ける体力がついてきたので、あの圧巻の黒部五郎岳のカールを見にいっしょに北アルプスへ行ってもよさそう!
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アウトドアカメラマン/亀田正人 クライミングや雪山、カヤック、狩猟採集などアウトドアのハードな一面を切り取ることを得意とする。最近は写真だけでなく動画撮影・編集も行なう。
【ルート5】後立山連峰最南エリア絶景針ノ木サーキット
扇沢→柏原新道→種池山荘(泊&生ビール)→岩小屋沢岳→新越山荘→赤沢岳→スバリ岳→針ノ木岳→針ノ木小屋(泊&生ビール)→大沢小屋→扇沢。 北アルプスの北部といえば、白馬三山や鹿島槍か岳などを擁する後立山連峰が人気だ。このあたりは日帰りから長い縦走まで幅広く山を楽しめる日本指折りの登山エリアだが、混み合う北アルプスにおいてその最南部がじつは穴場だ。 扇沢から急登の柏原新道をよじ登り、後立山連峰の稜線にのると登山者の多くは鹿島槍がある北へ向かう。そちらをメジャールートとするならば、逆方向に針路を取るのが今回のルート。最南にそびえる針ノ木岳こそ雪渓や二百名山として名が知れているが、その手前に並ぶ岩小屋沢岳や赤沢岳、スバリ岳は山に詳しい人でなければすぐにはピンと来ないかもしれない(かくいう私もそうだった)。 ところがどっこい、その歩き応えや展望のよさは想像超え200%! 針ノ木岳は北アルプスのへそ〞と呼ばれるだけあり、そこへと至る稜線上からは剱岳はもちろん、立山連峰、穂高連峰などが見え、天空縦走路と名付けたくなる絶景の稜線歩きが待っている。 こんなすばらしいルートで人が少なく、しかも山小屋では生ビール(針ノ木小屋はエビス)が飲めちゃうのだから、これを最高と言わずしてなんというのか。
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編集者/福瀧智子 登山をはじめバックカントリスノーボードやシーカヤックによる海旅など恵まれた日本のフィールドを広く遊び、それらの関連雑誌で編集・執筆を行なう。 ※この記事はPEAKS[2024年7月号 No。166]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。 **********。 ▼PEAKS最新号のご購入はAmazonをチェック。 編集◉PEAKS編集部/文◉福瀧智子、村石太郎(ルート2)、麻生弘毅(ルート3)
PEAKS編集部