英公的部門純借り入れ、10月は174億ポンド 予想上回る
[ロンドン 21日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が21日発表した10月の公的部門純借入額(国有銀行を除く)は174億ポンド(約220億ドル)となり、ロイターがまとめたエコノミスト予想の中央値123億ポンドを上回った。 1993年の集計開始以来で、10月としては2番目の大きさだった。リーブス財務相は、支出を大幅に増額するとともに、財政再建に取り組むとの姿勢を示しているが、厳しい道のりになるとみられている。 4─10月は966億ポンド。前年同期を11億ポンド上回った。 キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、アレックス・カー氏は、今回の統計について、公共サービスへの支出を大幅に増やす余地がいかに小さいかを示していると指摘。「財務相は追加の増税の可能性を否定しているが、将来的に日々の支出を増やしたいのであれば増税が必要になるかもしれない」と述べた。 ジョーンズ財務次官は「われわれの新しい強固な財政ルールでは、成長に向けた投資を優先する一方で負債を減らし安定を実現する」と述べた。 10月の日々の支出は5%近く増加。人件費は13.5%増加した。新政権が導入した公的部門の賃上げが背景。 10月の歳入は3.7%増。 リーブス氏は新政権の財政ルールを変更し、イングランド銀行(英中央銀行)を除く公的部門純債務(PSND-ex)ではなく、公的部門純金融負債(PSNFL)をターゲットにすると発表。これに伴い、投資のための借り入れ余地が増える。 ONSによると、10月のPSNFLは国内総生産(GDP)比83.7%で、昨年10月の81.2%から上昇。PSND-exは90.2%だった。 リーブス氏は2029/30会計年度にPSNFLの対GDP比を減らすことを目指している。