抗加齢の専門家が語る「できるだけ健康なまま」長く生きる「意外なコツ」とは?
③友達を大切に。食事は大勢で食べるほどよいのです
意外かもしれませんが、親しい友人や、自分が歓迎されるコミュニティを持つことが、健康で長生きするためにとても重要です。女性の皆さんはすでにこうした関わりを持っている場合が多いのですが、友人やコミュニティが健康に大きく関与することは意識していないかもしれませんね。率直に言って、友達がいない人は長生きしません。 男性は会社以外のコミュニティを持たない傾向が高いため、定年が近づく50代に入ったら意識的に会社以外の関わりを作る必要があります。女性の方で「私は大丈夫だけれども配偶者にあまり友達がおらず、仕事の話しかしない」という場合は要注意です。配偶者は定年退職したとたんに気力が減退して病気がちになり、介助の負担がぐんと増える可能性があるからです。いまのうちから夫婦でテニス教室に入ったり、地元の活動に参加したり、生涯学習を促したりと、コミュニティ参加の足掛かりを作ってください。 友達は、多ければいいものでもなく、また心を打ち明けられる存在である必要もありません。ただ、一緒にいて楽しい人であること。月に1回くらい会って飲みに行ったりゴルフしたりする関係性でじゅうぶんです。それすらいない人がいるのです。 これらはテストステロン、オキシトシンといったホルモンの分泌に関係します。友達が難しいのならば、ひとりで食事せず、大勢で食事するもの大事です。大勢で食事するとオキシトシンが分泌されます。
④アルコールは週に8杯までに
こう言うと「日本酒もコップ8杯ですか?」と聞かれますが、ビールならコップ、ワインならグラスで8杯分と考えてください。ワインでもビールでも水割りでも、だいたい1杯分の純アルコール量は10g(12.5ml)前後でしょう。 今やヨーロッパ、中でもフランス人はワインを飲まなくなっています。日本人も若い人はアルコールを飲みませんが、50代はまだ飲んでいる人が多いものです。週に8杯ですので、3日だけ飲むことにして3杯、2杯、3杯などの配分でもいいでしょう。 ここまでの前編では「毎日の飲食」の面での注意事項を教えていただきました。つづく後編記事では行動、習慣面についてもお伺いします。
オトナサローネ編集部 井一美穂