ペロブスカイト太陽電池・洋上風力など…政府、GX関連に1.6兆円
2025年度概算要求
政府は27日、「グリーン・トランスフォーメーション(GX)実行会議」を開き、2025年度予算の概算要求にGX関連として最大5年間で総額1兆6000億円を求める方針を示した。脱炭素サプライチェーン(供給網)構築や、中小企業の省エネルギー投資などを支援する。併せて脱炭素投資の拡大、液化天然ガス(LNG)の確保などGX戦略の策定に向けた、たたき台を提示した。24年末にかけて詳細を詰める。 概算要求ではペロブスカイト太陽電池や洋上風力など革新的脱炭素製品の供給網構築に2555億円、持続可能な航空燃料(SAF)の製造設備や供給網整備に838億円を計上。また次世代革新炉の研究開発支援に3年間で1152億円、中小などの先進的省エネ投資支援に5年間で2025億円を充てる。 25年度予算としては1兆2000億円規模を要求する。産業競争力や経済成長に資するGX投資など、一部は金額を明示しない「事項要求」とする。 40年に向けたGX国家戦略のたたき台では「デジタル変革(DX)による電力需要増に対応するため、再エネ、原子力発電所の再稼働や新型革新炉の設置、火力の脱炭素化に必要な投資拡大」を明記。このほか脱炭素電源や水素などクリーンエネルギー供給地への産業集積、GX製品の価値評価や調達に向けた規制・制度的措置など10項目を挙げた。 GX実行会議に出席した岸田文雄首相は「残された任期の間にGXを一歩でも前進するため尽力する」と述べ、東京電力柏崎刈羽原子力発電所(新潟県柏崎市、刈羽村)の再稼働に向けた対応強化を提示。「地元からの要望を踏まえ、事業者と政府一体で対応せねばならない」とし、来週にも関係する全閣僚が出席する「原子力関係閣僚会議」を開くと表明した。