TREK・MADONE SLR 9【ニューモデルインプレッション】
注目の最新モデルを徹底インプレッション! 今回は今年フルモデルチェンジした軽量ロードのエモンダで初採用された素材、800シリーズOCLVカーボンを採用しさらなる軽量化を達成したトレック最強のエアロレーシングバイク、「TREK・MADONE SLR 9(マドンSLR9)」をベテランライダーの管洋介がチェック!
800シリーズOCLVカーボンを採用! 卓越したエアロ性能に軽さをプラスした軽量マドン
トレックが最強のエアロレーシングバイクを目指すマドン。第6世代となる現行は2019年モデルで登場。ロードレース世界選手権でマッズ・ピーダスンが世界王者に輝くなどプロ選手の活躍を支えた。翌年にはセカンドグレードのSLにも同等のテクノロジーを採用し、あらゆるライダーへと門戸を広げた。そして2021年モデルでトップモデルのSLRに素材変更というマイナーチェンジを施し、さらなる軽量化を達成。 新生SLRに採用された素材こそが800シリーズOCLVカーボンだ。今年フルモデルチェンジした軽量ロードのエモンダで初採用された素材だ。これによりマドン史上最軽量としながら強度を30%向上、剛性も従来と同等とした。さらにエモンダ並の軽さを維持しながら、体積が増加するエアロ形状を与えることを可能とした。 より空力性能を追求するマドンへのOCLV800採用は自然な流れであり、大きく応力のかかる部分の使用量を減らし、フレーム単体で80gもの軽量化を達成した。 CFD解析、風洞実験、実走によるテストから導き出されたにKVFエアロチューブ形状によるエアロ性能と、優れた振動吸収性を生み出すアイソスピードは健在。さらに超軽量のアイオロスホイールを搭載するなど、レーシングバイクに求められるすべての要素を兼ね備えた。
フレーム素材を800シリーズOCLVカーボンに一新。700シリーズより30%もの強度向上を果たし、応力のかかる部分の積層を減らすことが可能に。軽量化にも大きく貢献している。
トップチューブに配置される調整式アイソスピードはマドンに最適化されたもの。振動を減衰させるためのダンパーも備えており、ライダーの疲労を効果的に軽減する。