Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

Surface Pro Xに搭載されたMicrosoft SQ2 CPUの正体を実機で探る

配信

  • この記事についてツイート
  • この記事についてシェア
Impress Watch

 Microsoftの「Surface Pro X」は、Microsoft SQ1というArmベースのSoC(System on a Chip)を搭載し、2019年10月に発表された。今回、Surface Pro Xにプラチナカラーが追加されるとともに、SoCがSQ1からSQ2へと強化されている。 【この記事に関する別の画像を見る】  Microsoft SQ1は、QualcommがArm版Windows向けに提供しているSnapdragon 8cxがベースになっており、そのSnapdragon 8cxの性能強化版というのがMicrosoft SQ1の位置づけだった。  SQ2はどうなのだろうか? Microsoftは、「SQ2は性能が向上した」とだけしか説明しておらず、具体的な仕様は不明だったが、日本マイクロソフトより機材を借り受けたので、実機にて確認してみる。 ■Microsoft SQ2と新色が追加されたSurface Pro X  Surface Pro Xは、別記事(「Surface Pro X」が刷新。新プロセッサ「SQ2」搭載参照)で紹介したとおりで、Microsoft SQ2/16GB/256GBないしはMicrosoft SQ2/16GB/512GBというモデルが追加。また、本体色は従来モデルではマットブラックのみになっていたが、SQ2搭載モデルにはプラチナが追加されている。  基本的にはそれ以外の部分、たとえばディスプレイの解像度やサイズ、Surface Slim Penと呼ばれる新しいSurfaceの薄型ペン対応などの仕様はまったく変化がない。LTEモデムを標準搭載で、eSIMと呼ばれる物理的なSIMなしでもデータ通信ができる点も同じ。そのあたりの使い勝手などに関しては、過去に初代モデルをレビュー(Arm版Windows搭載「Surface Pro X」をレビュー【前編】)しているので、そちらを参照していただきたい。  もう1つの強化という意味では、フォリオキーボード(カバーキーボード)も、従来モデルではブラックのみになっていたが、今回、アイスブルー、ポピーレッド、プラチナの3色が追加された。  プラチナ色は、Surface ProシリーズやSurface Goシリーズでもお馴染みの白とシルバーの中間色という感じで、よりポップなデザインのマシンが欲しいユーザーには嬉しい選択肢と言えるのではないだろうか。 ■Microsoft SQ2の正体は、予想通り「高クロック版のSQ1」  すでに述べたとおり、Surface Pro Xの新しいハイエンドモデルに搭載されているSoCはMicrosoft SQ2になる。このSQ2に関してMicrosoftは「性能が上がった」という説明を繰り返すだけで、詳細について説明していない。GPUに関しても従来のAdreno 685からAdreno 690へと強化されていると説明するが、実際どのように強化されているのかまったく説明されていない。  今回実機で確認したみたところ、Microsoft SQ2のCPUは上限の動作クロックが3.15GHzになっていた。初代Surface Pro XのSQ1では3GHzなので、150MHz分だけクロック周波数が上がったものがMicrosoft SQ2の正体だと言えるだろう。  Microsoft SQ1/SQ2のベースになっている、Snapdragon 8cxはTSMCの7nmで製造されており、すでにプロセスノードのライフの後半に入っている。いわば「熟成」が進んで歩留まりが向上しており、クロック周波数を上げることができたようだ。L1、L2、L3キャッシュなどの容量は従来と同じだ。  GPUに関しては、GPU-ZなどのGPUのスペックを確認するツールがArm版Windowsでは利用できないため、Adreno 690とAdreno 685の仕様の差はわからなかった。  そこでSQ2の性能を確認するために、ベンチマークプログラムとしてPCMark 10 Applicationsを実行し、過去のモデルと比較した。PCMark 10 Applicationsは、じっさいのOfficeアプリ(Word/Excel/PowerPoint)とWebブラウザのMicrosoft Edgeを利用して性能を測るベンチマークだ。  PCMark10のテストや、3DMarkなども実行したいところだが、Arm版Windowsでは、現在は64bit x86アプリ(x64/AMD64/Intel64)を実行することができない(将来的には対応する計画だ)。そのため、32bit x86アプリとArm64ネイティブなベンチマークが必要になるのだが、前者はどんどん減っており、後者はほとんどない状況だ。  そんななか、ほとんど唯一と言って良いほど対応しているのがこのPCMark 10 Applicationsで、Officeアプリは32bit x86、Microsoft EdgeはArmネイティブ版を使ってベンチマークを行なう。それぞれの性能見るという意味でもいいテストだろう。比較対象として用意したのはSurface Pro X初代のSQ1/8GB/128GBモデルで、参考までにSurface Pro 7のスコアも載せておいた。  見てわかるように、クロックが引き上げられた分だけ性能が向上していると言える。ただ、驚くほど性能があがっているとは言えないだろう。すでにSQ1を持っているユーザーの人が買い換えるほどではないが、これから購入するならSQ2を選んだ方がいいという評価になるだろう。  これまでSurface Pro Xの購入を検討してきたが、CPU性能への不安や、x64アプリケーションが動かないのは困るというユーザーにとっては、性能がSQ2によってやや強化され、まもなくx64アプリケーションのバイナリトランスレーションの機能も実装されるのだから、検討するのにいい時期にさしかかっているのかもしれない。

PC Watch,笠原 一輝

【関連記事】