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「アップロード」が描く“死後の格差社会”は、コロナ禍で現実味を帯びてきた:ドラマレヴュー

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WIRED.jp

※映画やドラマのレヴュー記事にはネタバレにつながる描写が含まれていることがあります。十分にご注意ください 残酷で不快なドキュメンタリー「タイガーキング」は、なぜ“コロナ禍”に苦しむ人々に支持されるのか? 2033年。タコスの人気メニュー「Gordita Crunch」は、ファストフードの巨大企業ノキア・タコベルによってヴァーチャルに販売されている。格安航空会社のフロンティア航空とスピリット航空が合併して生まれた巨大航空会社フロンティア・スピリット・ユナイテッドはニューヨークとロサンジェルスを30分で結び、「エコノミー・マイナス」クラスも選べるようになっている。 リアリティ番組のいちばん人気は「ベイビー・ボトックス(Baby Botox)」。内容はタイトル通りだ。電子たばこに関連する肺疾患は慢性病になっていて、ファーイースト・ムーヴメントによる2010年のヒット曲「Like A G6」は、学校のクラシックダンスの授業で使われている。 「Nitely」は「Tinder」に代わる人気の出会い系アプリ(ライドシェアアプリのように、利用者はその体験を5つ星で評価する)で、ボディカムが性行為の同意を記録する手段となっている。トーストは便利な缶入りで販売されていて、本物の肉を口にできるのは大金持ちだけだ。 テクノロジーに関するブランディングで溢れた不完全で雑然とした世界。それを喜びと不安が入り混じる目で見つめてみると、過度に強化された資本主義の未来が急速に近づいていることを感じる。

舞台は超資本主義の「あの世」

アマゾンの新作コメディドラマ「アップロード ~デジタルなあの世へようこそ~」では、漫画のような出来事が次々と起きる未来の世界が描かれている。「キング・オブ・ザ・ヒル」「The Office」「パークス・アンド・レクリエーション」などの人気シリーズを手がけたライター兼プロデューサー、グレッグ・ダニエルの最新作だ。 超資本主義の「あの世」で、人々は高級なクラウドサーヴァーにアップロードした自意識のもと、永久に“生きて”いる。まさにユートピアではあるものの、毎月宿泊費を支払わなければならないし、ときどき「アプリ内購入」も必要だ。お金で時間を買い、誰もが心から時間を欲している。現実世界を二分する階級社会が、「あの世」でも同じように存在しているのだ。 企業化されたこのピラミッド構造の頂点には、“デジタル天国”を支配する5社の大手テクノロジー企業が鎮座している。デジタル天国の最も豪華な目的地「レイクヴュー」は、「米国とカナダにあるヴィクトリア朝風の高級ホテルをモデルにしている」ことで知られている。階級社会を描いたくだらない寓話と殺人犯探しの推理小説が合わさったよう作品だ。 主人公のネイサン(ロビー・アメル)は、自律走行車が起こした不可解な事故をきっかけに、レイクヴューの豪華なおとぎの国にアップロードされる。「考えてみると、永遠ってやつはとてつもなく長いな」と、ネイサンはガールフレンドのイングリッド(アレグラ・エドワーズ)に言う。彼の費用を支払うイングリッドは、「データ無制限のホライズン家」の一員だ(レイクヴューを運営しているのが大企業ホライズンなのだ)。

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