ネイティブアメリカンとともに150年以上の歴史を刻む「ペンドルトン」の魅力
突然ですが質問です。 さて次の特徴に当てはまるのは、なんというブランド? [1]高品質なウールシャツが有名で、1960年代には西海岸サーフファッションの象徴になった。 [2]1970年代に入ると、カリスマスケーター的人気を誇ったジェイ・アダムスもクタクタになるまで着倒していた。 [3]1980年代には日本に上陸。その色鮮やかなブランケットは、いつかは手に入れたい憧れのキャンプギア的存在に。 勘の良い方は、もうお分かりだろう。 そう、正解はペンドルトン。 海やキャンプなど外遊びとの親和性が高いため、すっかりアウトドアブランドと思い込んでいる方も多いに違いない。しかし、その実態は生活用品やウェアなどウール製品を中心に扱う、西海岸発の歴史あるライフスタイルブランドである。
会社のスタートは、ウール製品を扱うメーカーだった
ペンドルトンの歴史は古く、その起源は今から150年以上前まで遡る。 創設者であり織物職人だった英国人トーマス・ケイが、現在も同社の拠点となっているオレゴン州に降り立ったのは1863年のこと。以来、主にウール製品を供給するメーカーとして、この地で工場を営むようになった。 ペンドルトンブランドが誕生したのは1909年。ケイの孫たちが中心となり、ネイティブアメリカンに向けて色鮮やかなパターンを施したブランケットを扱い出したのが始まりだ。
当時のウール製品はブロックデザインやプレードと呼ばれる織り方が主流で、複雑でカラフルなパターンを再現するのは難しかった。 しかし、ペンドルトンはより繊細なデザインを生地に織り込める最新技術、ジャガード織りを採用。高い耐久性と色鮮やかさ、そして細かいデザインを兼ね備えたウールブランケットを求めていたネイティブアメリカンに広く受け入れられた。
ブランド初期は、彼らが日々の生活や儀式で用いる大切な道具を手掛けるブランドとして、徐々に売り上げを伸ばしていった。
ネイティブアメリカンとの交流の歴史こそが、ペンドルトンの歴史でもある
ペンドルトンといえば、なんと言っても独特のパターンデザインが印象的なブランドである。 この柄はネイティブアメリカンが伝統的に使ってきたパターンをベースに、川や山、土地をデザインしたもの。彼らの中に脈々と続く伝統や神話学がアイデアの起点となっている。 ネイティブアメリカンたちの嗜好するデザインや色使いへの理解を深めるため、創業当初はデザイナー自らがオレゴン北東部の部族とともに過ごしていたこともあったという。