Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

自治体が配布し、大量に商品出回る「次亜塩素酸水」の危険 科学者「一番怖いのは...」

配信

  • この記事についてツイート
  • この記事についてシェア
BuzzFeed Japan

そのため、「食品添加物=安全」というのは、誤っている。同省が新型コロナウイルスの感染防止に有効だと発表し、水道水の殺菌にも使われる「次亜塩素酸ナトリウム」も食品添加物と指定されているのが良い例だ。 どんな物質にも適切な使い方がある。しかし、政府からの情報が乏しい次亜塩素酸水については「消費者が使用する段階での不適切な扱いが避けられない」と小波さんは見る。 「たしかに濃度が薄ければ、人体に問題はありません。ただし、濃度が極めて薄ければの話です」 とりわけ次亜塩素酸水の使い方として口コミで広がっているのが、「加湿器で噴霧する方法」だ。 小波さんはこの手法を「一番危険だ」と警告する。 空間に次亜塩素酸水が放出されれば、口や鼻を通して体内に吸収されるからだ。 「絶対にやってはいけないのに噴霧している人が多すぎる。次亜塩素酸水に含まれる塩素は、生きているものを殺すわけですから、皮膚や粘膜をも破壊するんです」 「体に優しく、高い殺菌力を持つ消毒剤なんかありません。ウイルスに効果あれば、人体にも有害なわけです。吸い込んだら危険ですよね」

一番怖いのは...

そして、一番怖いのが「次亜塩素酸水によって消毒したつもりになってしまうこと」だと言う。 次亜塩素酸水は、化学的に不安定な水溶液でもある。直射日光を浴びせず、どんなにしっかりと保管していても、時間の経過とともにその効果が失われてしまう。不純物が入っても同様だ。 さらに、現在、経済産業省による要請で「製品評価技術基盤機構(NITE)」が、新型コロナウイルスの消毒方法の一つとして次亜塩素酸水の有効性を検証している最中で、効果があるか確認できていない。 NITEは、5月29日には「現時点において、『次亜塩素酸水』の新型コロナウイルスへの有効性は確認されていない」との中間結果を公表した。 そして、「噴霧による人体への安全性については、確立された評価方法が存在していない」と示しつつ、消費者からの事故情報データバンクに「空間噴霧による健康被害とも捉えられる報告が届いている」としている。この中間結果を受け、配布を取りやめる自治体も出ている。 これらの点を踏まえ、小波さんは「典型的な不安商法ですよ」と訴える。 「『ウイルスに効く』と称して、効かないものを売る業者に注意しなくてはいけません。おそらく全く役に立たない商品も売られ、消費者に使われています。これで消毒ができたと思い、手洗いや換気などをおろそかにするのを恐れています」

【関連記事】