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訓練空港からリゾート風空港へ… 今秋路線増「下地島空港」の稀有な経歴 随所に名残り

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乗りものニュース

紆余曲折あった元「パイロットの聖地」

 宮古諸島(沖縄県)を形成する島の一つである下地島にある下地島空港は、LCC(格安航空会社)のジェットスター・ジャパンが成田線と関西線を運航しており、2020年10月からはスカイマークが羽田線、神戸線、那覇線を開設する予定です。この空港は当初、ほかの一般的な空港とは少し違う目的で設置されました。 長さ3540m! 空から見た「伊良部大橋」  運用開始は1979(昭和54)年。当時航空業界は大きな伸びを見せ、旅客機もジェット化が進み、国内のジェット機パイロットの需要も増加していました。しかしジェット機の訓練を行う場所が日本になく、海外で行うのが一般的だったそうです。  このような背景から国内唯一の「パイロット訓練用空港」として設立されたのが、この下地島空港です。運用開始後は、民間航空会社の旅客便が乗り入れたことはあったものの、発着の大半はJAL(日本航空)やANA(全日空)などの訓練機。その一環で行われる、着陸したのちすぐ速度を上げ離陸する操作、タッチアンドゴーはこの空港の名物でした。  ところが、離着陸数が1992(平成4)年に年間約2万9000回のピークを迎えたあとは徐々に利用頻度が減少していきます。平成25年、JALが下地島空港でのパイロット訓練から撤退。ついでANAも同空港から訓練を撤退すると発表し、2015(平成27)年に引き上げました。この撤退の理由としては、高精度なフライトシミュレーターなど航空会社側の訓練設備が進化したことなどが挙げられるそうです。

下地島空港に現れた「変化」 そして大改造へ

 ただこの下地島空港は訓練用施設だけあって羽田空港A滑走路や那覇空港A滑走路など、いわゆる国内の主要空港と同じ3000mの滑走路を持つなど、離島空港のなかでは充実した設備をもっていました。  しかし当時、下地島や陸づたいで隣接する伊良部島は、宮古島とは船で行き来する必要があり、いってしまえば「離島の離島」の状態でした。これが解消されたのが、2015(平成27)年に開通した、宮古島と伊良部島を結ぶ伊良部大橋です。  この伊良部大橋の開発途中に持ち上がったのが、下地島空港を地域のインフラとして一層活用しようといった動きでした。2014(平成26)年に沖縄県が、下地島空港の利活用する民間事業者を募り始めます。三菱地所などが名乗りを上げ、事業候補者として選ばれました。  三菱地所を中心に始まった下地島空港の利活用事業の提案の中には民間航空会社の受け入れも含まれており、これまでの日本の空港にないような、さまざまなアイデアが導入されます。  タイのリゾート地にあるサムイ空港など、外国の地方空港からインスピレーションを受けたとされるターミナルは、木材がふんだんにあしらわれ、保安検査場を抜けたところに大きな水盤が設置されているのが特徴です。制限エリア内も、屋外スペースが広く取り入れられ、屋内の搭乗待合室が航空会社ラウンジのような造りとなりました。

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