米大統領選2016(下)予備選は“歴史的”接戦? オバマ政権とは何だったか
初戦2戦の「勢い」はだれがつかむのか?
この数字だけで見れば、アイオワ州党員集会については、共和党ではトランプとクルーズ、民主党ではクリントンとサンダースが、それぞれ並んでいます。ニューハンプシャー州予備選では、共和党ではトランプ、民主党ではサンダースが勝利する可能性が高くなっています。 ただ、アメリカの予備選段階で重要なのは、「モメンタム(勢い)」です。支持率よりも健闘すれば「モメンタムがつく」ことになり、支持率に比べ期待外れだったら、「モメンタムを失う」ことになります。というのも、モメンタムがつく、つかないで、マスメディアの注目度が一気に変わってくるためです。当然、支持率も変わるほか、選挙献金の額もボランティアの熱気も大きく変わってきます。
共和党の場合、もし、クルーズがアイオワ州で勝利したら、ニューハンプシャー州以降の結果も大きく変わってきます。特に、クルーズを支援するティーパーティ運動、さらには宗教保守層からの支援が一気に盛り上がってくるかもしれなません。民主党の方も、サンダースがアイオワ州で勝った場合、支持率ではクリントンに勝っているニューハンプシャー州での勝利は確実となり、若者のサンダース支持が全米に広がっていく可能性もあります。 もちろん逆もあり、アイオワ州でトランプが勝利した場合、ニューハンプシャー州と連勝し、「トランプ旋風」が各州で続いていく可能性がありま。民主党の場合は、アイオワ州でクリントンが大差で勝利した場合には、「やはりサンダースではだめ」という雰囲気が大きく広がるかもしれません。 また、1位にならなくても、共和党の場合、マルコ・ルビオ(上院議員)やブッシュ、ジョン・ケーシック(オハイオ州知事)が支持率以上の2位となった場合、大きなモメンタムがつきます。トランプの対抗馬として一気に浮上し、クルーズが失速しているかもしれません。 一方、民主党の方も番狂わせがモメンタムを生む可能性があります。現在の支持率を見ると、数字上はかなり難しいものの、マーチン・オマーリ(前メリーランド州知事)が2位につけた場合、メディアの注目度は一気に上がっていくと思います。その場合、まさか、もあるかもしれません。