<新選組のルーツを訪ねる>「将来我武人となりて…」土方歳三資料館
子孫にとっては「身近な身内のおじいさん」
「仏間には遺影が飾られていて、私にとっては身近な身内のおじいさん」と歳三の印象を語るのは、資料館の土方愛館長。歳三の兄・隼人喜六から数えて6代目の子孫にあたる。 資料館の開館日は、原則として毎月第1・第3日曜日、時間は12時から16時まで。愛館長は「商売ではなく個人運営ですので、その中でできる限りのことをしようと考えています」としており、生活との両立を考えると月2回が精一杯とのこと。
例年、来館者数のピークは4~5月で、年間来場者数の約60%が集中。歳三の命日が5月11日であることなどが要因で、大型連休中についてはほぼ連日開館する。昨年の5月4日は、期間限定で歳三の愛刀・和泉守兼定を公開したことも影響してか、来館希望者が長蛇の列を作り、入館まで2時間以上かかった人もいたという。兼定は今年も4月3日から5月15日までの開館日に公開の予定。 「歳三は人間味のある人だったのではないかと思います。京都では鬼の副長として荒くれたちを仕切りましたが、北海道まで転戦した時、隊士たちは赤子が母を慕うように彼を慕っていたということです」と語る愛館長。歳三の魅力は現在にも及び、今も多くの人を惹きつけるのだろう。 (取材・文:具志堅浩二)