評価急上昇の酒井高徳は、内田を超えられるか?
内田の実力は依然として輝いている。右ひざに爆弾を抱えるような状況が続けば別だが、内田が万全な状態で酒井が指揮官の信頼をつかむには、まず、レギュラーとして出ている今回のアジア杯で優勝し、指揮官にタイトルをプレゼントすることが最善の道だ。これは4年前の内田も同じ。アジア杯優勝に貢献することでザッケローニ監督の信頼をガッチリつかんだのだった。 守備の安定感や状況に応じた判断力の高さでは、今なお内田が酒井を上回っている。内田の守備力はブンデスリーガでフランク・リベリー(バイエルンM)と対峙しても、コンフェデレーションズ杯でブラジル代表ネイマールと対峙しても通用するハイレベルなもの。守備面だけをフォーカスした場合、酒井が内田を追いつき追い越すにはまだ時間がかかるかもしれない。 それを踏まえると、攻撃力が大きなアピール要素となると考えている酒井としては、まず守備で及第点を出しつつ、そこに攻撃力を上乗せしていくという順番がベターだろう。また、アギーレ監督はクロスの精度に関して厳しく選手に要求しており、クロスから得点をアシストすれば評価が上がるのは間違いない。日本代表が無失点勝利を続け、なおかつゴールに絡みながらアジア杯を制していくのであれば、酒井がレギュラーの座をつかむ可能性は一気に広がっていく。 (文責・矢内由美子/スポーツライター)