【特集】水道の基本料金“無料”のはずが...なぜ?大阪市の減免措置を「受けていない人」がいる実態
大阪市では、コロナ禍での経済支援のために、今年7月からの3か月間、水道料金の基本料などが無料になる措置が行われた。全市民が対象とされた救済措置。しかし無料になっていない市民がいた。一体なぜなのか、その真相に迫った。
大阪市民なのに無料になっていない!マンション管理会社に確認してみると…
今年9月、取材班の元に1通のメールが届いた。そこには、大阪市による“上下水道の基本料金を無料にする措置が取られていない”と書かれていた。メールをくれた大阪市内に住むAさんに直接電話で話を聞いた。 (Aさん) 「大阪市が水道料金を減免しているという事実を知りまして。うちのマンションも減免されるかなと待っていたのですが、減免が確認できなかったんですね。」
大阪市では、新型コロナウイルスによる経済的な影響を踏まえて、上下水道の基本料金を減免する措置を行っていた。大阪市民であれば、1か月あたりの水道料金の基本料金935円と下水道使用料の基本額605円の合わせて1540円が、7月分から9月分までの3か月間、手続きなしで無料になっていた。
しかし、大阪市内に住むAさんは“無料になっていない”というのだ。一体、なぜなのか。Aさんがマンション管理会社に問い合わせた音声が残っている。 【Aさんがマンション管理会社に問い合わせ時の音声より】 (Aさん)「7月から9月検針分ですかね。これって、減額はマンションはされないんですか?」 (管理会社)「基本的には減額というのはしてないですけども。もう9月分の水道代、お家賃含めてお支払いはお済みですかね?」 (Aさん)「そうですね。引き落としされていましたね。」 (管理会社)「ちょっとお待ちくださいね…。水道料金の2000円から減額引いた額で引き落としの方をかけさせていただきます。」 Aさんがマンション管理会社に確認したところ、大阪市が実施する減免措置が適用された。 (Aさん) 「『申告すれば減免してあげるよ』という方針をとっているとはさすがに誰も想像つかないと思うんですよね。大阪市が水道料金を減免している事実を知らない方もいらっしゃるでしょうし。そういう対応はどうなのかなと。」
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