「VOGUE」のエディターになりたかったことも! 中村アンが語る、自分のキャリア
自分以外の誰かも大切にしたい、新しい気持ちの芽生え。
---最近の状況や年齢とともに、時間との向き合い方に変化はありますか。 20代は自分ばかりに興味があったのですが、32歳になった今、結婚してみたい、子育てをしてみたいといった自分以外の誰かへの興味や関心が芽生えてきました。私は、3人兄弟で8歳下の妹がいるのですが、人が育っていく過程を近くでみてきたということも影響しているかもしれません。料理にしても今は、基本的には自分のためだけに作るものだから「今日はカレーでいっか!」となる時もありますが、それが家族のためとなるともっと楽しくて、作りたい!という気持ちになるんだろうなと思います。 これまで、結婚や子育てはまず自分のやりたいことをきちんとやってから、もしご縁があればという考えでした。年齢を重ねた今、リアルに視野に入ってくるようになりましたね。女優としてのキャリアなのか自分の人生なのか、もし天秤にかけなければならない状況がくるのだとしたら、決断するのはすごく難しいと思います。10代からこのお仕事をしていたらこの思いはまた少し違っていたのかもしれませんが、築きあげてきたものが今、力になってきている気がしているので……。今は、悩んでも時に身を任せよう、なるようになるからと思うようにしています。でも、次の日にまたやっぱり同じことで悩んだり(笑)。 ---現在出演中の『SUITS/スーツ2』(フジテレビ)をはじめ『グランメゾン東京』(TBS)『集団左遷!!』(TBS)など、話題作への出演が続き、女優としてさらに輝きを増しているアンさん。プレッシャーや日々の忙しさの中で、自分らしさを取り戻すルーティンや考え方はありますか。 存在に気づいてもらえること、認識してもらえることが増えた分、責任をより一層感じるようになりました。私の場合は、中村アンという名前が芸名なので「アンちゃん」と呼ばれたり、前髪をかき上げたようなヘアにしたりすることで、スイッチが入ります。お仕事をする時の変わらないルーティンやヘアメイクが良い切り替えに。スイッチをオフするのは、その逆。私は生まれてからずっと東京に住んでいるので、普通のことを普通にすることでいつもの自分に戻れます。例えば? 電車やバスに乗って買い物に行くとか! ---センシュアルなロングヘアーに、ハッピーなパワー……。周囲が期待する「中村アン」の姿にちょっと疲れたり、悩んだりしてしまうことはないですか? 今まではこうだったけれど、もしこうなったらみんなはどう思うかな、私ってどういう方向に進むのかな、と悩むこともあります。中村アンってこういう感じ!というのは期待も含めて持っていただいているのかな、とも思います。本当はもっと髪を切ってみたいし、今の自分から脱却したいと考えることも。30歳を過ぎたあたりから、芸能界でこれまでやってきたことが“当たり前”となった現状もあるし、また違う自分に会ってみたいと思うことも増えました。 ---そういった新しい自分に会いたい、変えたいという思いはどうやって自分の中で消化していますか? お芝居を楽しむことです。最近は特に、お芝居の中で自分とは違う人になった時の楽しさを感じられるようになってきました。役の名前で呼ばれると、また違った自分に出会えている気がします。