人気花火大会にも人件費・資材高騰の波… 全国で中止相次ぐ中、諏訪で探る持続可能性
8月15日に開く諏訪湖祭湖上花火大会で、長野県諏訪市などでつくる実行委員会は17日、新たに諏訪湖イベントひろばと諏訪湖間欠泉センター近くに設けた桟敷席の抽選の受け付けを始めた。全国的に人件費や資材の高騰による花火大会の中止が相次ぐ中、新たな桟敷席を設けて収入増につなげたり、プログラムを工夫したりするなど「持続可能」な花火大会を模索する。 【写真】幻想的 諏訪湖の湖面を鮮やかに照らす花火
この日までに開催プログラムも公表。昨年より一つ多い24プログラムを行う。実行委によると、花火大会は恒例の水上大スターマインや各種スターマインをはじめ、新たに花火の種類を解説するレクチャー花火などを加えてプログラムの拡充を図った。
参加煙火店が1減の9社となるのに伴い、煙火店が競う競技花火も9プログラムになる。辞退した一福煙火店(千葉県酒々井(しすい)町)によると、高齢化や後継者不足で各地の花火大会の参加を断念したという。煙火店の女性は「私たち夫婦2人でやってきた。涙が出るほど残念」と話す。
花火製造業者でつくる日本煙火協会(東京)によると、今年は警備費などの費用高騰や環境の変化によって中止になる大会が複数ある。人手不足による警備員の人員確保が難しくなるケースなどがあったという。
諏訪湖祭湖上花火大会でも昨年から警備費や花火代、観覧席の工事費などの高騰が課題。今回一般枠の座席料を値上げし、販売する席を約3千席増やすなどした。実行委の中島英司総務局長は「さまざまな課題がある中、華やかさを増した花火大会を楽しんでほしい」と話す。
桟敷席は諏訪湖イベントひろばのテーブルイス席や間欠泉センター近くのマス席など。1席2千~2万円。応募は21日まで受け付ける。