布草履で心の交流 支援品として福島に贈呈も 岐阜・恵那市で全国コンテスト
岐阜県恵那市のくしはら温泉ささゆりの湯で、第14回全国布ぞうりコンテストの一般投票が始まった。秋田から愛媛まで13都府県から応募があり、布草履だけでなくスリッパ型、同じ手法で作られた装飾品や置物作品も審査の対象となるとあって、工夫を凝らした作品が来館者の目を楽しませている。 全国布ぞうりコンテスト実行委員会(同市)の主催。応募のあった165作品を温泉施設内に展示し、11月末までの来館者の投票で優秀作品が決まる。大賞の環境大臣賞には、ささゆりの湯温泉券12枚と民泊のペア宿泊券、串原の米「コシヒカリ」10キロが贈られる。 入賞作品以外は社会福祉協議会を通じて、東日本大震災と東京電力福島第1原子力発電所事故で被害を受けた福島県の被災者へ贈られる。テレビ放映がきっかけで福島県大熊町、楢葉町の布ぞうりグループと交流が始まったのは2013年から。14年からは応募作品など約500点を持参し、会津若松市や楢葉町、喜多方市、東京都でも毎年体験交流イベントを開いてきた。今年は新型コロナウイルスの影響で自粛している。同実行委員会の三宅明委員長は「不要になった布を使った布草履を履けば、足先の血行が促進され、環境にもよい。草履作りは高齢者も取り組みやすく、被災者と人・物・心の交流で今後も支援につなげたい」と話す。
日本農業新聞