三田牛が初輸出、ハラール認証取得しサウジへ 王族宮殿で提供
兵庫県の高級牛肉「三田牛」が初めて輸出されることになり、第1号の出発式があった。輸出先は中東のサウジアラビアで、イスラム教の戒律に基づき製造したことを証明する「ハラール認証」を受けている。肥育農家、製造業者、販売業者が協力して実現し、肥育農家は「今回をきっかけに海外にも三田牛が知られ、生産者の意欲が高まるようになれば」と期待する。【土居和弘】 三田牛は但馬牛のうち三田市内の農家などで肥育され、厳しい基準に合格した牛肉。2007年に特許庁から地域団体商標を取得しブランドとなった。肥育農家は現在、三田市のほか神戸市北区や宝塚市の23人。農家の高齢化などで出荷頭数の減少などの課題も抱える。 牛肉を製造する三田食肉公社が運営する三田食肉センター(神戸市北区)に14年、戒律に沿って牛肉を処理する施設が整備され、ハラール認証も取得。ここで製造した「神戸ビーフ」などは既にイスラム圏にも輸出されている。今回、輸出される三田牛は最高級のサーロインやリブロース、ヘレの計約250キロで、王族の宮殿や高級レストランなどに卸されるという。 センターで11日にあった出発式には、関係者約20人が出席。肥育農家らでつくる三田肉流通振興協議会の乾哲郎会長は「三田肉の輸出は念願だった。これを機にいっそう地域の発展に寄与したい」とあいさつ。終了後、三田食肉公社の廣岡誠道代表取締役は「今回はスタート。三田牛は世界でも評価されるポテンシャルがあると思っている」と期待を述べた。