「ハワイへの移住費など18億円を要求」 SMILE-UP.に提訴された、「当事者の会」元副代表の言い分 「ハワイで安全に暮らそうと」
テレビ各局が相次いで旧ジャニーズタレントの起用再開にかじを切る中、被害者団体の元幹部が旧ジャニーズ事務所から提訴されるという異例の事態を迎えている。渦中の当事者を直撃した。 【写真を見る】現在は生活保護で生活しているという石丸氏 ***
故ジャニー喜多川氏による性加害問題を巡り、旧ジャニーズ事務所「SMILE-UP.」(以下、スマイル社)がその事実を認め、謝罪したのは昨年秋。以来、今年10月末までに524人の被害者と補償内容で合意したという。 「これまでにあった被害申告は1000人を超えますが、連絡が取れなかったり、在籍や被害の事実が確認できなかった申告者も多数いました。彼らを除いた補償対象者の約97%とすでに合意に達している状況です」(民放キー局記者) 一方でスマイル社が設置した、補償業務を担う被害者救済委員会との交渉がまとまらず、調停へと移行した被害者も4人いる。
生活保護で生活する石丸氏を訪ねると……
中でも唯一、金額面で折り合いがつかなかったのが「ジャニーズ性加害問題当事者の会」(9月7日解散)副代表の石丸志門氏(57)だった。 「救済委員会が通知した補償額と、石丸氏の要求額の開きが大き過ぎて、調停案の取りまとめができなかったと聞きます。そのため調停委員会がスマイル社側に調停し申立ての取り下げを検討するよう指示し、同社が取り下げを決断。併せてスマイル社は11月5日、石丸氏に対し債務不存在の確認を求めて提訴しました」(前出の記者) スマイル社側は一貫して補償金を支払う姿勢を見せてきたが、石丸氏の主張との隔たりは埋めようがなく、裁判所に判断を委ねることにしたのだという。 決裂の要因となった石丸氏の要求額とはいくらなのか。現在、生活保護を受けながら埼玉県内のアパートで暮らす石丸氏を訪ねると、この間の経緯について初めて詳細を明らかにした。
「ハワイへ移住」
「金額面で調停が不調に終わったのは事実です。スマイル社側が当初、私に通知した補償額は他の被害者と同じ1800万円。最終的に2000万円に増額されましたが、受け入れられる金額ではありません」 こう話し始めた石丸氏はさらに驚きの事実を明かす。 「私が最初に提示した補償額は18億4568万32円。“高額だ”と思うかもしれませんが、私なりに根拠のある数字です。ジャニーズに入ったことで、私の人生はメチャクチャになりました。だからジャニーズに入らず普通に就職していた際の生涯賃金と、ジャニーズで性被害を受けることなく順風に活動していたケースの想定収入を試算し、その中央値を逸失利益として計上しました」(石丸氏) それが5億円程度に上るそうで、さらに海外への移住費も計上したと話す。 「当事者の会の中には、告発後、何者かに階段から突き落とされたメンバーもいます。私も顔が割れていて、常に身の危険を感じながら生活しています。アメリカへの留学経験があるので、できれば日本に近いハワイに移住して安全で安心できる暮らしを送りたい。移住にかかる経費の中には永住権(グリーンカード)取得費用の105万ドル(約1億6000万円)も盛り込みました」(同) その他、諸々を積み重ねて18億円になったとか……。