今田美桜「忘れられない瞬間に、また出会いたい」 夢をあきらめない原動力
俳優を夢見て19歳の時に地元の福岡から上京し、その後はドラマや映画などで活躍している今田美桜さん(27)。下積み時代には挫折も経験してきた今田さんに、夢をあきらめずに続けてきた原動力や、現在の結婚観、年齢の重ね方などについて伺いました。 【画像】撮り下ろし写真(今田美桜)
悩みも反省も、全てがその先につながる
――今田さんは19歳で上京し今のお仕事を始められましたが、これまでの最大の危機はどんなことでしたか。 今田美桜さん(以下、今田): 「危機」というか、これは私自身の大失態なのですが、ドラマ「ドクターX」に出演させていただくようになったころ、手術シーンの撮影がある日に寝坊してしまったことがありまして。その時は「もうダメだ、終わった」と思いましたね。急いで現場に着くと、皆さんが優しくフォローしてくださって。すごく反省して「もう二度と寝坊しない!」と誓いました。 ――そんな苦い経験もありつつ、着実にキャリアを重ねて、2025年前期のNHK連続テレビ小説「あんぱん」のヒロインを演じます。下積み時代にはオーディションに落ちることも少なくなかったそうですが、ここまで夢をあきらめずに続けてきた原動力になったものはなんでしょう? 今田: やっぱりこの仕事が楽しいという気持ちですね。さっきお話しした遅刻だけじゃなく、日々反省することや悩むことはたくさんあって、それは今も変わりません。でも、それ以上に感動することが多くて、普通に生活していたらなかなか味わえない瞬間をお芝居の中で感じることができるんです。 そんな経験ができるのは、きっと自分ではない人を演じているからこそだと思うし、なかなか他では得ることができないので、楽しいし、充実感もあります。これまでお仕事してきた中で忘れられない瞬間がたくさんあって、またそれに出会いたい。悩むことや反省も含めて、今は全てがその先につながるから楽しいなと思えるし、それが自分の原動力になっていると思います。
失敗しても元には戻れないから切り替える
――失敗や挫折を経験することであきらめてしまう人もいるかと思いますが、そんな時はどう気持ちを立て直していますか。 今田: 自分でも「このお仕事、向いていないな」と思うこともありますし、向いていると思うことのほうが少ないんです。だけど、これがずっと自分がやりたいと思ってきたことなので、自分の「好き」という気持ちが、不安を解消したり「もうやめようかな」という気持ちを踏みとどまらせていたりするのかなと思います。 それに、不安や悩みがあっても、ファンの方や友達から「あれ見たよ」という声を聞くと「また頑張ろう」と思えるんですよ。そういう幸せなことの方がたくさんあるので、その時の気持ちを思い出すと自然と立ち直っている気がします。 ――「幸せだな」と感じた時の気持ちを思い出して、意識もそちらにシフトさせるんですね。 今田: 今でもたまに後ろ向きに考えてしまうことはありますが、「自分がやりたいことをやる」という気持ちが一番だと思います。「失敗しちゃったな」と思っても元には戻れないし、何か違う形で挽回するしかないので、そういう時は「次の日もあるんだから」と切り替えて、美味しいごはんを食べて、美味しいお酒を飲んで寝ます! ――「前を見て、次を考えよう」と思える気持ちが、すでに前に進んでいる気がします。 今田: 私もいつでも前を見られているのかは分かりませんが、「見ていたい」という願望ですね(笑)。それに、失敗を振り返ってその場に気持ちをとどめているよりも、先のことを考えるべきだと思うので、今はこのお仕事をさせていただけることに感謝して、一生懸命向き合いたいです。