日本スーパーフェザー級5位の神足茂利が再起戦勝利 転機は同門・中谷潤人の米合宿「いい意味で張り詰めていない」
「ボクシング・8回戦」(29日、後楽園ホール) メインイベントで日本スーパーフェザー級5位の神足茂利(28)=M・T=が濱田力(28)=DANGAN=を判定3-0で破り、再起に成功した。 【写真】引退セレモニーを行った石澤開 神足は慎重な立ち上がりだったが「(相手は)作戦があるわけじゃなくて、どうしていいか分からないんだな」という考えに至り、さえわたった左ジャブから、中盤以降は接近してのアッパーなどで主導権を確保。ジャッジ3者が80-72、79-73、78-74をつけた。 4月30日に浦川大将=帝拳=に6回TKO負けを喫した神足は「7カ月本当に苦しい期間だった。毎日もがいてやっていた。1日も負けを忘れたことはなかった。負けた試合の夢も見た」と打ち明けた。 9月に3週間強、同門のWBC世界バンタム級王者・中谷潤人の米合宿に参加したことで「いい意味で中谷君のトレーニングは張り詰めていない。やることをやって、あとは楽しんでやっている」という気付きを得たほか、米国で「自分ができないことをやれ」と言われ、「自分と向き合いながら組み立て直して、できるようになってきた」という進歩もあった。 この日はトランクスもシューズもテーマ曲も新調して「心機一転」、臨めたという。 今後は「今日はスーパーフェザーでも余力があった。フェザーも落とせると思う。そろそろチャンピオンを取らないとやばい。絶対チャンピオンになります。いつでもいけるよう準備しておきます」と、両面でタイトルマッチをにらんだ。 ◇ ◇ セミファイナルでは日本ライトフライ級3位の安藤教祐(32)=KG大和=が、5月4日に川満俊輝の日本王座に挑戦してTKO負けして以来の再起戦に臨んだが、山本智哉(27)=横浜光=のスピードと精度に翻弄(ほんろう)され、判定3-0で敗れた。 ◇ ◇ 元日本ミニマム級王者で世界挑戦の経験もある石澤開(28)=M・T=の引退セレモニーが行われた。石澤は「たくさんの方に支えられてボクシング生活を送ることができて、本当に…言葉に詰まります。本当にありがとうございます」と感謝の言葉を述べ、テンカウントゴングを聞いた。 石澤は2017年デビュー。2022年1月に森且貴=大橋=との王座決定戦を8回TKOで制して日本王者となった。同4月に谷口将隆=ワタナベ=のWBO世界王座に挑戦したが11回TKO負け。昨年フライ級に転向し、6月の初戦はジェイセベー・アブシード=フィリピン=に5回KO勝ちしたが、10月の2戦目はビンス・パラス=同=に判定負け。今年4月、レジー・スガノブ=同=のWBOグローバル王座に挑戦したが8回TKO負けしていた。