【クラウン・セダン終焉】SUVになったなら、どんなクルマに? ハリアーやアルファード/レクサス各車との関係は
販売不調によりSUVへの転換が報道
text:Kenichi Suzuki(鈴木ケンイチ) 2020年11月11日、トヨタの本拠地となる愛知県から驚きのニュースが発せられた。 【写真】あなたにとっての「クラウン」どの世代?【今後のヒントになるクルマと比較】 (170枚) それが「クラウンセダン生産終了で調整 トヨタ、22年に新型投入」というもの。 クラウンそのものがなくなるのではなく、セダンが終わり、異なる車形になりそうだという内容だ。 ちなみに報道では「スポーツタイプ多目的車(SUV)に似た車形の新型車」だという。 そんな報道のあったクラウンの現行モデルは、2018年6月に登場している。 70歳代にまで高まっているユーザーの若返りを狙い、大胆にも「初代コネクティッドカー」を名乗り、デザインも大きく変わった。 その結果、発売年は約5万台を売ったが、翌2019年は約3万6000台に。 過去のクラウンの販売成績から言えば、過去30年で最低という、ふがいない数字となってしまったのだ。 ただし、クラウンの販売自体は、現行モデルだけが悪いわけではない。平成に入ってから現在まで、クラウンの販売は何度かの挽回はあったものの基本的に右肩下がり。 平成初期は年間15万台売れていたのだが、近年は3万台前後という年が多かった。 そうした背景を前に、飛び出てきたのが先のニュースだ。 しかし、これは別の見方をすれば「何が何でもクラウンを存続させる」という意思のもと、「セダンがダメであれば、車形を変えることを検討する」という話でもある。 そこで、今回は、「もしもクラウンがセダンではなくなったら、どのようなクルマになるのか」を考察してみたい。
高級SUVならハリアーの上級モデル
まず、検討するとなれば「スポーツタイプ多目的車(SUV)」だ。 報道では、「スポーツタイプ多目的車(SUV)に似た車形」ということで、正確には「SUVではない」というニュアンスもある。 しかし、昨今のクルマのトレンドはSUVである。売れ筋を狙うのであれば、当然、SUV路線が最初に検討されることだろう。 実際に、この夏にはコンパクトカーである「ヤリス」のSUV版である新型「ヤリス・クロス」が発売され、販売は絶好調である。 それと同じく、「クラウン・クロス」が生まれるというシナリオだ。 そんなクラウンのSUV版が生まれるとなれば、車格的には「ハリアー」の上、「ランドクルーザー」の下に収まるはず。 ここでポイントとなるのは車体構造だ。 ランドクルーザーは、オフロードの王者とも呼ばれ、フレーム構造の強靭なボディ骨格を持つ。 しかし、その分、重くなり、燃費や乗り心地では不利になる。 一方、ハリアーは乗用車ベースで、フレームのないモノコック構造。 また、海外で販売されている「ハイランダー」のプラットフォームを使うという報道もある。 ハイランダーのルーツは、海外向けのハリアーであり、当然、モノコック構造を採用している。 報道では、「新しいモデルは海外販売も見据えている」とあれば、ハイランダーとは、異なる別の個性が与えられることだろう。 また、上級を志向する場合、レクサスがあるため、それとの住み分けも必要。 このあたりに、SUV版のクラウンのヒントがあるのではないだろうか。