なぜ?やっぱり?波紋広がる張本氏のサンモニ降板をもう一人の“球界ご意見番”が「あっぱれ」と労う…出演打診を断った過去も
広岡氏は、「ずいぶんとあっぱれを奮発していたな。23年と言えば、テレビでひとつの時代を作ったとも言える長寿番組。よく頑張ったものだ。長い間、お疲れ様、ご苦労様と言ってあげたい」と、張本氏の23年間の番組出演を労った。 「実は、女子ボクシングに関する発言が大問題になったときに本人はどうするべきかに相当悩んでおり、直接私に電話があって相談された。今回の降板は、彼なりの考えがあっての決断だったと思う」 番組側が降板を決めたのか、張本氏が自ら“卒業”を決めたのかは不明だが、広岡氏は、女子ボクサーに関する女性蔑視発言が、社会問題に発展したことが降板の決め手になったのではないかと見ている。 広岡氏にとって張本氏は、巨人の後輩にあたり、西武監督時代には“臨時コーチ”を依頼した縁がある。 「秋山(元ソフトバンク監督)、伊東(前中日ヘッドコーチで元西武、ロッテ監督)といった当時の若手にアドバイスをしてやって欲しいとお願いした。苦労に苦労を重ねて成功した話を聞かせてやってくれと。彼の成し遂げたことは、それほど偉大なものだ」 広岡氏は張本氏を認めているのだ。 実は、サンモニを巡っては、もう一つのエピソードがあった。“大沢親分”が降板した後に、広岡氏にも出演オファーがあったというのだ。 「断らせてもらった。自分が教えた選手に対して“あっぱれ”は出せない。やはり厳しい目で見ることになる。喝ばかりじゃ番組も成立しないでしょう(笑)」 “大沢親分”と張本氏が並んで出演していたように、ひょっとすれば、広岡氏と張本氏の“史上最強のご意見番コンビ”が実現していたのかもしれない。 日テレ系列では、スポーツ番組「Going!Sports&News」に11年半も出演してきた江川卓氏(66)も年内で番組を卒業することが28日放送の番組内で発表されていた。スポーツ界は評論の世界も含めて時代が移り変わろうとしている。だが、一方で、時代が変わろうが、継承しなければならない伝統や歴史、失ってはならないスポ―ツの本質がある。多様性の時代、SNSの時代に、無神経な言葉が独り歩きしていくことに大きな問題はあるが、辛口の「喝!」を発信する頑固な“大御所”がいなければスポーツ界の健全が保てず間違った方向へ進むという懸念もある。来年以降、スペシャルご意見番として、節目に登場するという張本氏の意見が、逆に求められる時代がやってくるのかもしれない。 (文責・駒沢悟/スポーツライター)