ネット募金側が考える「1円」の価値と願い。意識するのは現地の状況と...
今年、寄付という形で、新型コロナウイルスの感染拡大や7月の豪雨で苦境に陥った団体などを支援した人は少なくなかった。現地への直接支援の仕組みの一翼を担うのが、ネットさえあれば助けを求める人たちにつながることができる、ネット募金やクラウドファンディングだ。台風シーズンが到来した。大型で非常に強い台風9号が沖縄県に接近している9月1日は、防災の日でもある。今後も地震など自然災害にも気が抜けない。ネット上で寄付ができるポータルサイト「Yahoo!ネット募金」は、どんな思いでサービスを提供しているのか。利用者に願うことは。担当者に取材した。【BuzzFeed Japan / 瀬谷 健介】
Yahoo!ネット募金は、2004年にサービスを開始した。 ヤフー側による審査を通った約400の団体が、寄付先として登録されている。そして、それぞれが立ち上げたプロジェクトに、利用者が寄付するという仕組みをとる。 分野は、新型コロナにも関連する医療をはじめ、災害・復興、子ども、動物、国際協力など多岐にわたる。 そして、クレジットカード払いでの寄付だけでなく、Tポイントを利用して1ポイント=1円から寄付が可能なのも売りとなり、これまでの寄付総額は69億円を超えるという。
意識するのは現地の状況と「スピード」
「自然災害については、プロジェクトを立ち上げるまでのスピードが大事」 こう話すのは、ヤフーネット募金のサービスマネージャーを務める鈴木哲也さんだ。 支援が必要な人にできるだけ多くの寄付金が届いてほしい。その思いで、常に現地の状況を見極めながらも、スピードを意識して動いているという。 「立ち上げが早いと、より多くのお金を寄せていただけるんです。たとえば自然災害が発生し、それがニュースで報道されると、人々は何かしたい気持ちになります。その時、寄付の窓口があると、アクションに向かっていきます」 「ただし、寄付プロジェクトの立ち上げが1、2日遅れるだけで、1億円単位で変わる可能性もある。だから、より多くのお金を助けを求める人たちに届けるために、立ち上げは早め早めがいいんです」