【765 LTとアトム4の二車択一】GRヤリスも善戦 2020年の英国ドライバー・ベストが決定 BBDC 2020(7)
英国ベスト・ドライバーズカー選手権(BBDC)2020:アリエル・アトム4
text:Matt Saunders(マット・ソーンダース) photo:Luc Lacey(リュク・レーシー)/Max Edleston(マックス・エドレストン)/Olgun Kordal(オルガン・コーダル) translation:Kenji Nakajima(中嶋健治) 2020年の英国ベスト・ドライバーズカーに選ばれたのは、アリエル・アトム4。2019年の勝者は、極めて僅差で2020年でも頂点を掴んだ。 【写真】2020年優勝のアトム4 お手頃ベストのGRヤリス (86枚) 5名の審査委員がサーキットと一般道で25点づつ、50点満点で採点する。そんないつものプロセスで、2台が219点で並んだ。配点内容を再確認し、トップの座を射止めたのはアトム4だった。 審査員の評価を見ていこう。アンドリュー・フランケルは、「このクルマは誇張抜きで賞賛に値します。アリエル・アトム4の操縦性の高さは、過去32年間のBBDCで最も見事な1例といっていいでしょう」。と称える。 ボディと呼べる部分もヒーターもないアトム4は、英国の10月下旬の気候と相性が悪いと考えていた。でも実際は違った。マット・ソーンダースも認める。「軽さが、ノミネート車両の中で強い輝きを放ちました」 ダンパーはしなやかで、調整する手間も不要。アトム4は天候を問わず扱いやすい。路面の隆起を滑らかにいなし、クルマと対話するように運転できる。予想以上の落ち着きを備え、動的性能の高さを引き出せる。 速度を問わず、運転に没入するような体験を味わえる。サーキットに出れば、息を呑むほどの素直さで、驚異的なコーナリングスピードを見せつける。 ジェームス・ディスデイルが上手にまとめてくれた。「すべてがアナログ体験、という事実に感服です。ドライバーの操作に対し、見事なまでに反応が正確。公道では、速度域を問わずスリリングです」 筆者も同感。アリエル・アトム4をノミネート車両の中で際立たせている、最大の特徴だと思う。