派遣社員がテレワークってできるんですか!?
全国的な感染の再拡大に、歯止めがかかるのか心配される新型コロナウイルス。西村大臣の「今後の感染者数動向は神のみぞ知る」発言に失望した方も多いとも言われていますが、もはや、それが“真実"なのかもしれませんね。 そのような状況下で、アフターコロナ/ニューノーマル(新しい常態)をめぐる議論も活発になっています。たしかに、新型コロナウイルスは私たちの生活に大きな変化をもたらしました。
突然のテレワークで置いてけぼりになった派遣社員
さて。時は少しさかのぼって、今年(2020年)の4月頃。一部の大企業オフィス内ではちょっと変わった現象が起きていました。それは、出社しているのが派遣社員ばかりで、その指示・命令者である担当正社員が在宅勤務という珍現象です。 会社からの業務命令で、指示・命令者である正社員が突然、会社から消え、オフィスで途方に暮れる派遣社員。そんな構図も見受けられました。「会社には来たものの、私はなにをすればいいの?」そして、減っていくのはスマホの電池ばかり・・・。 そもそも大企業のネットワーク環境はセキュリティ的にはVPN(Virtual Private Network)導入が進んでいるため、中小企業よりもテレワークへの移行がカンタンなはずです。なんで、こうなってしまったのか。原因を考察しつつ、今後の展望もしていきます。
派遣社員のテレワークが進まなかった理由
政府は新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、在宅勤務の活用を強く呼びかけました。派遣社員に関しても、厚生労働省が派遣社員や派遣先の企業に対し、在宅勤務に切り替えるよう、事務連絡を3月16日付で出しています。 派遣社員のテレワークが進まなかった理由のひとつに、「派遣契約」があります。「就業場所」にない「在宅」で勤務する場合は、派遣契約を変更する必要が出てきたのです。 また、派遣元となる人材派遣会社には、就業規則に在宅勤務を規定していない社もありました。この場合は、派遣会社からテレワーク依頼を断ることになりました。 セキュリティ対策も課題となりました。派遣社員に、セキュリティ上の観点から貸与パソコンの社外利用を認めていない企業は多数あります。この社内規定もネックとなりました。 さらに労務管理も問題に。派遣社員の多くは時給制ですが、労務管理ツールを導入していない企業では、「どうやって管理するんだ!」と困惑するケースもありました。 実際のところ、厚生労働省も「緊急の必要がある場合は、事前に書面による契約変更の必要はない」としたのですが、今年の春先は、やっぱりパニックでしたから。しょうがない面もあると思います。