「松坂世代」最後の現役が今季初白星 ソフトバンク和田が見た佐々木朗希と松坂大輔
◆ソフトバンク3-2ロッテ(22日、ペイペイドーム) ソフトバンクの和田毅投手が41歳3カ月で今季初勝利を手にした。6回2死まで無安打無得点に抑え、5回2/3を1失点。球団2番目の年長勝利記録で日米通算150勝へ王手をかけた。打っては柳田悠岐外野手(33)が先制2ランなど交流戦前のラストゲームで弾みをつけた。チームの連敗を2で止め、首位楽天に1・5ゲーム差に再接近。24日から始まる好相性の交流戦で一気に奪首を狙う。 【写真】ノーバン投球ならず恥じらい笑顔を見せるモデルの井桁弘恵 ◇ ◇ マウンドを降りると和田はベンチ最前列へ。後を託した嘉弥真の投球を見つめ、ピンチをしのぎきった後輩を笑顔で迎え入れた。5回2/3を1失点で今季初勝利。「投げた試合でチームが勝つことが、自分にとってうれしい」。41歳3カ月の白星は球団2番目の年長記録。日米通算150勝にも王手をかけた。 24球を要した初回こそ制球に苦しんだが、最速146キロの直球を軸に尻上がりに調子を上げた。4回を投げ終えた時点で足がつりながら、続投を志願。6回2死まで無安打無得点に抑え込んだ。高部にこの日初安打を許し、続く中村奨に中越え適時二塁打を浴びたところで降板。「6回はちゃんと抑えてバトンを託したかった。次の課題にしたい」。反省を忘れないのがベテラン左腕らしい。 松坂大輔氏が昨季限りで引退し、「松坂世代」の最後の一人となった。若い世代の台頭は著しく、20歳のロッテ佐々木朗は160キロ台を連発し、完全試合も達成。和田は「次元が違う。今まで見た中で一番すごいのでは」と素直に敬意を表する。「大輔も160キロは出なかった。(佐々木朗が)変化球を駆使して完成形になったらどうなるんだろうと思うと、末恐ろしい」。剛腕で一時代を築いた松坂氏と切磋琢磨(せっさたくま)してきた和田にとっても衝撃は大きかった。 「自分への戒め的なものではないけど、佐々木くんでも甘く入れば打たれる」。野球界の進化を受け止めつつ、自らの強みを追求する努力を怠らず日米で149勝。日本通算150勝にもあと6勝に迫る。フォームの試行錯誤を重ねながら切れのあるボールで厳しいコースをつき、強打者たちを打ち取ってきた。 「自分の中では日本通算の150勝が一番の今年の目標。日米は絶対行かないといけない数字。ようやく一つ勝てたので、あと六つ、七つ以上勝てるように。これからもっともっとチームに貢献できるように頑張りたい」。この日の1勝をきっかけに白星を量産するつもりだ。 ベテラン左腕の好投でチームの連敗は2でストップした。貯金は開幕8連勝と突っ走った快進撃時と同じ「8」に戻し、交流戦に突入する。交流戦で歴代最多タイの通算26勝を誇る和田の存在は頼もしい限りだ。(伊藤瀬里加)
■球団史上2番目の年長勝利、最年長は?
41歳3カ月で勝利投手となった和田は、球団では、前身ダイエー時代の今井雄太郎が41歳9カ月で勝利投手(1991年5月9日オリックス戦で8回途中1失点)となった最年長記録に次ぐ球団2番目の記録。41歳シーズンでの勝利も今井に続いて球団2人目。最年長勝利のプロ野球記録は山本昌(中日)の49歳0カ月。パ・リーグ記録は浜崎真二(阪急)の48歳4カ月。