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[新型コロナ] 緊急事態宣言全国拡大 産地売り先確保懸命 需要喚起が不可欠

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日本農業新聞

家庭・加工へ切り替え

 新型コロナウイルスの感染拡大に対応する緊急事態宣言の対象地域が全国に拡大したことを受け、苦戦が強いられる業務筋を中心に、農畜産物の販売は一層厳しくなる見通しだ。産地や流通業者は、家庭用や加工用に販売先を切り替えるなど売り先確保に懸命だ。産地や流通関係者からは需要喚起を求める声が強まっている。

牛肉

 和牛を中心とした牛肉の販売環境は悪化しそうだ。九州地区の食肉業者は「首都圏での休業が増え、飲食店向けの販売は前年比2、3割減。休業が全国に広がると影響は大きい」と懸念。「出荷を止めないためにも、家庭向け通販を強化するなど生産者を支えていく」(同)。4月(17日まで)の東京食肉市場の和牛枝肉(A4、去勢)の加重平均価格は1キロ1748円で前年比28%安と、回復の兆しが見えない。

切り花

 切り花は、式典や冠婚葬祭の自粛など業務需要の低迷に加えて、対象地域の拡大で百貨店など商業施設が閉まれば、テナントに入る生花店には打撃だ。小売り大手の青山フラワーマーケットは札幌市や仙台市、広島市の店舗を18日から臨時休業する。17日の切り花1本当たり日農平均価格は35円で、過去5年比で最低水準。産地は出荷調整などで価格浮揚に奮闘する。  業界は、家庭に花を飾る「家花見」消費を呼び掛ける他、ネット販売で活路を探る動きもある。「厳しい状況だが花を求めている人に届ける工夫をする」(花き卸)。

牛乳・乳製品・米

 指定団体や乳業メーカーは、3月から全国的に停止する学校給食用生乳を加工用途に振り向けるなど需給調整の対応に追われている。スーパーなどで家庭向け牛乳の販売が伸びたが、緊急宣言後に一斉休業した飲食チェーンが多く、業務用の牛乳・乳製品の需要が一段と冷え込む厳しい状況だ。日持ちするバターや脱脂粉乳、チーズなどへ振り向けるが、「全体では需給緩和の懸念が強い」(Jミルク)。  米は、家庭用や中食用の販売が伸びる一方、外食の需要が落ち込む。香川県の米卸は地元でも営業自粛の動きが強まり、「外食向けの販売が低迷する」と懸念する。

青果物

 野菜の市場関係者が懸念するのは、業務需要の一層の落ち込みだ。東北地方の卸売会社は「半減していた飲食店の注文がさらに減る。価格帯や商材が違うスーパーに仕向けるのも限界」と厳しい見方だ。  青果市場では、緊急事態宣言の全国拡大による入荷や相場への大きな影響は見られない。深刻化する業務需要の減少を小売りの需要で支えている。果実は家庭消費が旺盛なリンゴなどは好調だが、高級果実は厳しい。17日のメロン「アールス」やマンゴーの相場は平年比3、4割安と低迷。「アールス」の産地、静岡県温室農協は「今後はより厳しくなる。ふるさと納税の活用など消費喚起が必要」と訴える。

日本農業新聞

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