「人権意識が低い」検証委に突き付けられた名古屋の河村市長が反省の弁 障害者差別発言問題
メ~テレ(名古屋テレビ)
木造天守をめぐる名古屋市の討論会で障害者に向けられた差別発言について検証委員会が最終報告をまとめました。 18日に最終報告をまとめたのは「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」での障害者差別発言をめぐる検証委員会です。 発端は「名古屋城バリアフリー問題」。 名古屋のシンボル「名古屋城」、戦災を経て鉄筋コンクリート造りで再建された天守は耐震性の問題などから改修が必要となりました。 そこで市が目指したのが「史実に忠実な復元」。 築城当時と同じ「木造」での復元です。
焦点の1つは「バリアフリー」
その中で焦点の1つになったのが「バリアフリー」です。 障害者団体などは最上階までのエレベーター設置を求めてきましたが、河村たかし市長は「忠実に復元したい」と繰り返し主張。 車いす用の小型昇降機を1階まで設置するなどの代替案を示してきました。
市民討論会で差別発言
その中で「市民の意見を聞く場」として去年6月に開かれた「市民討論会」。 現天守には5階まで昇れるエレベーターがありますが―― 「今まであったものをなくしてしまうというのは、我々障害者が排除されているとしか思えない」(参加した車いすを利用する男性) 車いすの男性がエレベーター設置を求める意見を述べた直後、1人の男性が手を上げました。 「平等とわがままを一緒にするな。エレベーターも電気もない時代につくられたものを再構築するということ、そのときになんでバリアフリーの話が出るのかなというのが荒唐無稽で、どこまでずうずうしいのという話。『がまんせいよ』という話なんですよ」(参加者)
河村市長、差別発言は「聞こえなかった」
討論会には河村市長も出席していました。 市主催の討論会で出た差別発言について問われると「聞こえなかった」としたうえで―― 「ご自由に言ってもらうのが前提。広い気持ちで考えるのが普通。言論の自由は」(名古屋市 河村たかし市長) 去年8月、この差別発言に市がその場で対応できなかった原因の究明や再発防止策を議論する検証委員会が立ち上がりました。 去年のうちに予定されていた文化庁への計画提出も検証が終わるまで中断されることとなりました。