広島地裁

　母親の遺体を自宅に放置し、年金をだまし取ったとして死体遺棄と詐欺の罪に問われた住所不定、無職の男（50）の公判が1日、広島地裁であり、検察側が懲役2年を求刑し、結審した。判決は31日の予定。 　検察側は論告で「母親の遺体の周囲に芳香剤などを置き、放置したのは死者の尊厳を踏みにじる行為」と指摘。生活費を使い果たしたため、母親の年金を得ようとしたとも述べた。被告はいずれの起訴内容も認め、弁護側は年金を弁償する予定があるとして執行猶予付きの判決を求めた。 　起訴状などによると、被告は3月18日ごろから7月4日までの間、同居の母親=当時（86）=の遺体を当時住んでいた広島市安佐南区の自宅に放置した疑い。また、母親の死亡を届け出ず、4、5月分の老齢基礎年金計2万6243円を詐取した疑い。