313億円では足りなかったのか…応札ゼロで不調に終わった鹿児島県の新体育館、県が業者3グループから聞き取り 見積もりと実態の乖離を精査
9月の入札に参加する事業者がなく不調に終わった鹿児島県の新総合体育館事業を巡り、塩田康一知事は22日、県内外の事業者でつくる3グループに10月末、聞き取りを実施したと明らかにした。県が最大313億円と提示していた事業費と、事業者の見積もりとの乖離〔かいり〕額は「精査している」として明言を避けた。 【写真】〈関連〉新体育館の整備に関する経緯をまとめた表
4月の入札説明会に参加した1グループと、5月に入札参加を表明した2グループに10月28、30日、実施した。参加を見送った理由について、塩田知事は「物価や資材の急激な高騰、人手不足や最低賃金の大幅な上昇で313億円に収まらなかったと聞いた」と説明。事業者側の見積もりや今後の見通しも聞き取ったという。 県は事業費削減のため、民間資金を活用した社会資本整備(PFI)手法を初導入。整備から運営までを最大313億円の事業費で包括発注する計画だった。聞き取りを踏まえ、事業費や事業内容、整備・運営手法の見直しを検討する。規模や機能の見直すのは「基本的に困難」としている。
南日本新聞 | 鹿児島
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