<私の恩人>香里奈「安室ちゃんとともに私の人生がある」
2011年には当時私が主演させていただいた連続ドラマ「私が恋愛できない理由」(フジテレビ系)に本人役で出演してくださいました。代々木で開催していたライブ後に、そのままお客さんにも残っていただいて、コンサートのシーンを収録したんです。私は舞台照明の役だったので、同じステージには立たず、下から安室ちゃんに光を当てているという位置関係でした。そこでも、私にカメラが向いている時は、もちろんお仕事ですし(笑)、きちんと表情を作るんですけど、自分の後ろ姿越しにステージを映しているというシーンでは、フツーにポカーンとファンの顔で見てました(笑)。 今回の引退も、とても安室ちゃんらしいとは思うんです。理由は語らない。それが安室奈美恵だって分かってるんですけど、でも、ニュースで見るたびに、自然とボロボロ泣いちゃって…。仕事前でも関係なく号泣してしまっています。 引退が発表された瞬間は、あらゆる人から連絡が来ていて。私が安室ちゃんが大好きだってことを知ってる方から「大丈夫?」って心配のメッセージが大量に届いてました。ま、結果から言うと、ただただ立ち尽くしちゃって、全く大丈夫ではなかったんですけどね(笑)。 9歳から今の33歳まで、居て当たり前の人がいなくなる。これはもちろん寂しいことではあるんですけど、来年9月以降も、安室ちゃんを勝手にお手本にして、私はモデル・女優・人間、香里奈として想いを持って生きていくと思います。恩返しなんて、とても言えないですけど、それに近いものがあるなら、そうし続けていくことなのかなと。
え、このインタビューを安室ちゃんが見たらですか?多分、気持ち悪いと思うでしょうね(笑)。「また、言ってるよ!」と思うか。でも、誰かのファッションをマネしたいと初めて思ったのも安室ちゃんですし、メッシュ入れて、厚底ブーツはいて、タトゥーシールを貼って。安室ちゃんが生きている時代に生まれて、安室ちゃんとともに人生があった。それは紛れもない事実ですから。 あ、もう写真撮影ですか?すみません、これだけ、追加でいいですか?来年9月以降は、いち個人の安室奈美恵になるわけじゃないですか。私はそれを心から応援していますし、そこからはステージに立つ安室奈美恵ではなく、一人の人間・安室奈美恵になっていく。ここは、本当に純粋に思ってるんですけど、そっと見守ってあげてほしいです。ただただ、ただただ、一人のファンとしてはそう思います…。 気づいたら、なんだか、暑くなってきちゃった…。安室ちゃんのことになると、勝手に一人でヒートアップしちゃって、どうもスミマセン(笑)。 (取材・文/中西正男) ■香里奈(かりな) 1984年2月21日生まれ。愛知県名古屋市出身。テンカラット所属。15歳の頃からモデル業を始め、2000年から雑誌「Ray」の専属モデルに。07年に「東京ガールズコレクション」のランウェイに初登場し、以後連続出場。09年には雑誌「GINGER」の創刊に伴い、同誌の主力モデルとして活躍する。また、01年にフジテレビ系「カバチタレ!」でドラマデビューし、女優としても活動。08年にはTBS系ドラマ「だいすき!!」で連続ドラマ初主演を果たす。フジテレビ系ドラマ「アイ~私と彼女と人工知能」(10月2日深夜0時25分、同9日深夜0時35分)に主演。同作は圧倒的知性を持つ人工知能(志尊淳)と、二人の女性(香里奈、池田エライザ)との恋愛コメディー。また、ショッピングサイト「GLADD(グラッド)」の広告キャンペーンキャラクターにも就任した。 ■中西正男 1974年大阪府枚方市生まれ。立命館大学卒業後、デイリースポーツ社に入社。大阪報道部で芸能担当記者となり、演芸、宝塚歌劇団などを取材。2012年9月に同社を退社後、株式会社KOZOクリエイターズに所属し、芸能ジャーナリストに転身。現在、朝日放送「おはよう朝日です」、フジテレビ「バイキング」などに出演中。