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視点と視野と視座は何が違う? 対義語も思考ツールに

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NIKKEI STYLE

《連載》仕事で差がつく!ビジネス思考法

思考力を鍛える研修で、私がよく尋ねる質問があります。「視点・視野・視座は、それぞれ何を意味していて、どこが違うのでしょうか?」というものです。できれば、読者の皆さんも、少し考えてから先を読んでみてください。 何も思い浮かばない人には、ヒントを差し上げます。「視点が新しい」「視野が広い」「視座が高い」とは言いますが、「視点が広い」「視野が高い」「視座が新しい」といった言い方はあまりしません。そこに3つの違いが現れているはずです。 会社の業績の話を例に解説するとこうなります。視点とは、業績や会社の「どこを見るのか?」です。売り上げ、利益、商品、業務、組織など、経営を見る視点はたくさんあります。

■視点・視野・視座の違いとは?

2つ目の視野は「どんな範囲で見るか?」です。今期だけを見るのか長期的に見るのか、国内だけを見るのかグローバルに考えるのか、販売だけを見るのか経営全体を見るのか……。時間、空間、人間、システムの広がりを指すのが視野です。第6回の分析思考を思い出してください。 そして、「どこから見るのか?」が視座です。同じものを見ても、見る立場やポジションによって見えるものが違ってきます。現場の人間は細部がよく見えるのに対して、経営者は全体を俯瞰(ふかん)的に見ます。年齢、性別、国籍などによっても視座が変わってきます。 視点、視野、視座を変えて、いろんな方向や角度から考えるのが「多面思考」です。そうすることで、深く、柔らかく、緻密に物事を検討することができます。

■対義語を活用して多面思考を実践する

日常生活では、3つの違いはそれほど意識する必要はありません。要は、いろんな観点から考えればよいだけです。一番お手軽なのが、相反する2つの観点で見ることです。 アイデアの採否を検討するときに使う「プロコン表」が、まさにこれに当たります。 ホワイトボードや紙の真ん中の線を書き、左のスペースに賛成の理由(Pros:良い点やメリット)を、右に反対する理由(Cons:悪い点やデメリット)を挙げていきます。左右を見比べて、トータルでどちらが優勢かを判断します。 賛成と反対をあわせて賛否といいます。メリットとデメリットは損得です。このように熟語の中には、意味が正反対の言葉をセットにしたものがたくさんあります。対義語と呼びます。 他にも、男女、長短、善悪、新旧、利害、公私、自他、入出、遠近、内外、主従、難易、増減、需給、動静、因果、攻守など、数え上げればキリがありません。 観点を3つにすれば、衣食住、心技体、人物金、知情意、守破離、報連相、正反合、走攻守、大中小などがあります。4つでは、起承転結、老若男女、加減乗除、喜怒哀楽、冠婚葬祭などがあり、時間のある方は調べてみてください。 これらはすべて多面思考の切り口として使えます。新しい事業を立ち上げるなら、人物金の3つの観点で考える、といったように。日本語は多面思考を実践するのに便利な言葉なのです。

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