【ラグビー】天理大が20年度以来の関西王座奪回「選手たちがよくやってくれた」小松節夫監督
<ラグビー関西大学リーグ>◇最終節◇11月30日◇東大阪市花園ラグビー場◇観衆7661人 天理大が、全国制覇した20年度以来の関西王座奪回を果たした。リーグ4連覇を狙った京産大をFW戦で圧倒。先制を許したが、スクラムなどのセットプレーで優位に立って逆転で31-15と完勝した。勢いに乗って2度目の大学日本一を目指す。3位の近大までが全国大学選手権に出場する。7位の摂南大、8位の関大は、14日の入れ替え戦(天理親里)に回る。 ◇ ◇ ◇ ノーサイドの瞬間、黒いジャージーの男たちはひざまずき、両手を突き上げた。4季ぶりの歓喜。最上級生たちの力で関西王座を奪い返した。小松節夫監督は「1点差でも今年は何としても勝ちたかった。選手たちがよくやってくれた」と最高のほめ言葉を贈った。 前半12分に先制トライを奪われた。しかし、同27分に逆襲のトライで流れを取り戻したのが、フッカーの寺西翔生(常翔学園)、逆転のトライはプロップの松尾楓舞(松山聖陵)。ともに4年だった。FW最前列が一体となり、V4を狙う京産大を崩した。 スクラムを筆頭にセットプレーで圧倒した。京産大も練習の半分を費やすという看板。王座を奪還すべく天理大も、真っ向から挑む決意を固めた。7、8月に1カ月にも及ぶ夏合宿でスクラムを組みまくった。 1時間半以上。FB筒口允之主将(4年=長崎南山)が「こいつら、いつまでやるんや」と仰天したほど高低を、角度を、何度も変えながら押した。記録的な酷暑の中で。寺西も「組み終わってブレークした時にフラッとしたことは何度もあります」と今は笑える。 「地獄の特訓」を重ねた成果をぶつけるだけだった。FWリーダーの寺西は「スクラムは1人で組むんじゃない。8人の意思疎通が必要。コミュニケーションはずっととっていました」と明かした。 次は全国。筒口主将は「関西王者の責任がある。日本一になりたい」。自信を深めた強力FWを武器に全国制覇へ出陣する。【実藤健一】