ようやく会えた喜びが溢れた「幸せ。」な空間!CHiCO with HoneyWorksが開催した全国Zeppツアー“LAWSON presents CHiCO with HoneyWorks ZEPP TOUR 2021「SPRiNG BEAT」”東京公演の模様をレポート!
昨年12月、自身初の無観客ワンマンにして2度目の日本武道館公演“CHiCO with HoneyWorks ONLiNE LiVE @BUDOKAN 「COME! COME! ONiON」”のラストで「(来年も)希望を持って、一緒に過ごせていけたらいいなと思っています!」と語っていたCHiCO。その言葉通り、3月7日からスタートした有観客の全国Zeppツアー“LAWSON presents CHiCO with HoneyWorks ZEPP TOUR 2021「SPRiNG BEAT」”は、暗いニュースを蹴散らす春らしい希望に満ち、「SPRiNG BEAT」のタイトルにもぴったりの“リズミカルな躍動=BEAT”を感じさせるハッピーなツアーとなった。ワンマンライブで1日2回公演を行うのも、チコハニにとっては初めての経験だ。そんな今年の幕開けとなる“ZEPP TOUR 2021「SPRiNG BEAT」”の折り返し地点、3月14日(日)の東京・Zepp Tokyo公演2部の模様をレポートする。 開演の18時。まさに春らしい、温かなEDMテイストのBGMをバックに「せーの!SPRiNG BEAT!東京!」というかわいいCHiCOのボイスが、オープニングをリズムにのってコールする。AtsuyuK!(ds)、Hiroki169(b)、宇都圭輝(key)、中西(g)、Oji(g)のおなじみのチコハニバンドのメンバーが、クルクルと回るレインボーの光の中でハンドクラップ。昨年夏に予定されていた“LAWSON presents CHiCO with HoneyWorks summer tour 2020「WiSH Upon A Star」”がほぼ中止となり、唯一開催された9月の中野サンプラザ公演以来、会場でファンと一緒にライブを楽しめるのは約半年ぶりのことだ。 ペンライトを振り、待ちかねたオーディエンスが一斉に立ち上がって手拍子を重ねると、ステージ中央の暗闇に立っていたCHiCOにポンとスポットが当たる。元気な声で「行くぞ、東京!」と叫ぶと、真っ赤なライトに包まれた激しい演奏から「アイのシナリオ」がスタート。振り上げられるたくさんの赤いペンライトが、久しぶりに生のチコハニに会えた喜びにあふれ、CHiCOが客席に向かって大きく手を振る。 あいにくの雨風にみまわれた今日の天気に触れ、「雨降ってました? 降ってたか~。私の“晴れ女”は発揮できませんでしたが、会場は熱気ムンムンで晴天な感じで盛り上げていきたいと思います!」と元気に挨拶。「次の楽曲も楽しんでいきましょう!」と告げて、軽快なサウンドにのせてCHiCOがコミカルなマイムを披露した「ヒロイン育成計画」、カラフルな照明がちょっぴり切ない恋心を加速する「ハートの主張」と、キュートでポップなナンバーを連発する。 続く4曲目の「BGM」は、まさにこの日、久しぶりのライブステージでこそ歌われるにふさわしい楽曲だった。CHiCO自身がこれまで歩んできたライブの光景とファンへのありがとうの気持ち、みんなの前で歌えることの喜びを、そのまま歌詞に託したこの曲。「みんなの顔が見えた」「心からありがとう」「新曲はもう聞いてくれた? 自信作なんだよ」……そのすべてのフレーズが、CHiCOが一人一人に向ける微笑みとまろやかで優しい歌声が、この場所にいるすべてのファンへのメッセージだった。 温かい空気の中でのMCもリラックスした雰囲気だ。今回のツアーは、新型コロナウイルス感染拡大に配慮し、声援を挙げないという制限付きでの開催。普段のライブのように客席と声でやりとりができないぶん、CHiCOもバンドメンバーもいつも以上に賑やかなトークを繰り広げ、「今日はみんなとお喋りできないから、挙手制で!」と客席にアンケート。初めてチコハニのライブに来た人に、昼の部からMCが“カミカミ”なことに触れながら「常にポンコツなので、よろしくお願いします!」と笑顔を見せる。バンドメンバー同士のツッコミ合いも微笑ましい。 ここからセットリストは、最新シングル「鬼ノ森/醜い生き物」と昨年リリースされたアルバム『瞬く世界にiを揺らせ』のナンバーを、ライブならではのアレンジでフィーチャーしていく。島唄のような悠久の無限を感じさせる伸びやかなCHiCOの歌声と、ブルーと赤が彩る幻想的なライティングが、観客を深い深い神秘の森へと誘った「鬼ノ森」。軽やかなEDMサウンドに乗せて、チコハニ初の全英語詞で表情豊かに届けられた洋楽テイストが新しい「Alive」。「Alive」は、昨年末の武道館公演でも披露されなかったライブ初披露のアルバムナンバーだ。これまでのチコハニサウンドをよりスケールアップし、新しいテイストを提示しながらしっかりと自分のものとして歌い上げるCHiCOのボーカリストとしての成長を、鮮やかに感じさせてくれる。それに続いたのは、武道館でも感動的な光景を作り上げていた「私を殺さないで」。Ojiのアコースティックギター1本をバックに切々と歌い上げられるこの曲、昂ぶる感情を力強く響かせるCHiCOのボーカルが、どこまでも真っ直ぐに心を射抜いた。 そしてMCでCHiCOは、「『私を殺さないで』を歌う度に、これを言っていいかどうか悩むんですが……」と躊躇いながら、「マイナスな意味に捉えないで欲しいんですけど、私、『私を殺さないで』が嫌いなんです」と告白。自分で自分自身を押し殺し、臆病さゆえに斜めに世の中を見てしまっている人に向けたこの曲の歌詞が、「まるで学生時代の過去の自分に言われているようで、胸が苦しくなるんです」と語り、同じ気持ちを抱く人に「ちょっと共感して救われて、ちょっと苦しくなってほしいんです。インタビューでも、いつも言いたかったことだったけど、伝え方が難しかった……でも今日は、ちゃんと自分の言葉で言えました。伝わりましたかね?」と問いかける。「伝わったよ!」と温かく言葉を掛けるバンドメンバーの声と、客席からの大きな拍手に、CHiCOがホッとした顔になる。こんなふうに、一見誤解を招くかもしれない素直な気持ちを思いきって語ることができるのも、CHiCOがここに集ったファンを心から愛し、信頼している素敵な証だ。 心温まるMCに続いて披露されたのは、アニメ『裏世界ピクニック』のOPテーマとなっていた「醜い生き物」。前3曲のシリアスなムードから一転、オーディエンスの元気な手拍子がZepp Tokyoに響き渡る。腕を振り回しながら大きなアクションで届けるCHiCOのフレッシュな歌声が、よりバンド感を増した爽やかなギターロックを加速する。 ここで、バンドの一人一人が客席の拍手やペンライトと掛け合い、CHiCOとのトークを交えながら楽しく自己紹介。笑いの絶えないフレンドリーなメンバー紹介もチコハニらしさだ。そして東京のファンに改めて、このツアー中に新発表された4月放送開始のTVアニメ『EDENS ZERO』のEDテーマ「冒険のVLOG」が、14thシングルとして4月28日にリリースされることを報告し、「そんなニューシングルから、カップリングをお披露しまーす!」と放たれたのは、ライブ初公開の「スーパーアイドル(笑)」だった。HoneyWorksのルーツを感じさせる高速ボーカルと、疾走する強烈なハードロックサウンドが融合したこの曲を、飛び跳ねながら熱唱。サビの“I love you”のフレーズに合わせて両手で作ったハートを飛ばし、ドスの効いた歌声を聴かせるCHiCOの迫力に圧倒される。「皆さんが(ライブで)声を出して歌えるようになったら、ガンガン“I love you”と言ってほしいですし、ハートを作って私たちにください!」と話すCHiCO。まだ見ぬ「冒険のVLOG」と合わせて、音源で聴ける日がますます楽しみになった。 激しいロックのあとは、さらに激しいロックナンバーが待っている。「ペンライトまだまだ振れますか? 心の中で叫べますか? 拳をぶち上げていきましょう!」と叫んで贈られた「決戦スピリット」に、客席の真っ赤なペンライトが力強く振り上げられ、ステージからは眩しいライトが降り注ぐ。そして「東京いいですね~! まだ行けますか?」の声から本編ラストに届けられたのは、ライブには欠かせない「プライド革命」。普段ならイントロでHiroki169が「全員声だせ!」と煽るこの曲。今回は「楽しめ、東京!!」と、Hiroki169がいつも以上に大きな声で叫んでいたのも印象的だ。オーディエンスが心の中で挙げているであろう大きな声援に負けじと、CHiCOが声を張り上げ、バンドメンバーはステージ上を駆け回る。こういう時代だからこそ“声にならない叫び声が 胸の中震えてるんだ 分かってる だから闘うよ”のフレーズは、Zepp Tokyoのすべての人の胸の中を代弁しているようだった。 温かな拍手が迎えたアンコールの1曲目は、クルクル回る7色の光とピンクの照明の中でペンライトが左右に揺れた「世界は恋に落ちている」。今回のツアーは各会場2公演ずつ行われたこともあり、2~4曲目のブロックと5~8曲目のブロックは、各地の昼公演と夜公演では異なるセットリストを用意。この東京公演も、昼の部の本編では「ラズベリー★モンスター」や「ぐる恋」「カヌレ」「Marie」「ヒストリア」「アイのシナリオ」などが歌われていた。さらに今回は、各地のアンコール1曲目には春を感じさせる楽曲をフィーチャー。東京公演も昼の部のアンコールでは「今日もサクラ舞う暁に」が披露され、ほかの会場では「恋色に咲け」や「恋のコード」「乙女どもよ。」が歌われていた。これだけ変化のある、趣向を凝らしたセットリストを届けていったのも、少しでもたくさんチコハニの音楽を楽しんで欲しいという、温かな心づかいだ。 「通常のライブをすることは難しいですけど、こうしてコロナが怖いなか、勇気を出してチコハニのライブに遊びに来てくれてありがとう。これからもまだまだ、しんどい時期が続きますから、心が折れそうになったときは、ぜひ今日のライブを思い出して、この曲聴いて明日から頑張ろう!とか、みんなの日々の生活のお伴にしてもらえたらいいなと思ってます。今日は来てくれてありがとうございました。また会える日まで、エネルギーを溜めていきましょう!」 そして、「今日はハッピーに終わりたい、ハッピーになる準備はできてますか?」というCHiCOの言葉から、ラストナンバーの「幸せ。」へ。ぴょんぴょんと楽しそうに飛び跳ねて歌うCHiCOとバンド、みんなが笑顔だ。そんなハッピーが舞い降りたステージ。最後に生声で「ありがとうございました!」と告げたチコハニメンバーに、オーディエンスはいつまでも大きく手を振り、手で作ったハートを贈り続けていた――。 TEXT BY 阿部美香 LAWSON presents CHiCO with HoneyWorks ZEPP TOUR 2021「SPRiNG BEAT」 <SET LIST> M01. アイのシナリオ M02. ヒロイン育成計画 M03. ハートの主張 M04. BGM M05. 鬼ノ森 M06. Alive M07. 私を殺さないで M08. 醜い生き物 M09. スーパーアイドル(笑) M10. 決戦スピリット M11. プライド革命 ―ENCORE― E01. 世界は恋に落ちている E02. 幸せ。 ●リリース情報 TVアニメ『EDENS ZERO』EDテーマ 「冒険のVLOG」 4月28日(水)発売 【CHiCO with HoneyWorks盤(CD+グッズ)】 価格:¥1,270+税 品番:SMCL-697 【アニメ盤(CD+グッズ)】 価格:¥1,300+税 品番:SMCL-698 <収録曲> M01. 冒険のVLOG M02. スーパーアイドル(笑) M03. 冒険のVLOG 【Instrumental】 M04. スーパーアイドル(笑)【Instrumental】
エムオン・エンタテインメント
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