ゴルフ場の“非日常性”に光を当てる ~瀬戸内ゴルフリゾート
密が避けられるレジャーとして、コロナ禍で人気が高まった代表例がゴルフとキャンプだろう。その2つを、瀬戸内海を見下ろせる絶景とともに一度に行える場所がある。広島県竹原市にある瀬戸内ゴルフリゾート。林順平支配人(39)が掲げる「主婦や女子高生がカフェをしに来るような場所にしたい」との思惑に沿うように、多くのゴルフをしない人々がキャンプに訪れているという。 【画像】夜は別世界に変わるゴルフ場キャンプ
広島空港から車で30~40分ほど南下した瀬戸内海沿い。2014-15年に放映されたNHKの連続ドラマ小説「マッサン」で、主人公のモデルになった竹鶴正孝の生家がある竹原市の中心部から約10分。リゾートのゲートを入り、木々が覆う1キロほどのアプローチを進むと、海を見下ろせる高台にゴルファーと非ゴルファーのいずれにとっても非日常の世界がある。
キャンプ利用の7割が非ゴルファー
広大な敷地のコース内にはキャンプ用スペースが6区画。利用者は3000円の追加料金で、一般ゴルファーのプレーが終わったあとに1ホールを丸ごと貸し切りにすることができる。ゴルフをやる人ならドライバーからアプローチ、バンカーまで思う存分練習してもいい。あるいは18番グリーンから1番のティイングエリアまでプレーとは逆向きに歩いて、カップ(グリーン)から逆算してコースマネジメントを組み立てるプロツアーのキャディの真似事をしてみることもできる。目の前のボールばかり見ている普段とは違うコースの景色が見え、思わぬ攻略法が思い浮かんでくるかもしれない。
これがゴルファーにとっての贅沢な非日常なら、「お子さんが走り回ったり、お好きなように使ってください」と林支配人が言う、長さ300m超×幅30~50mの芝生エリア(1ホール)を「密」と無縁に占有できる状況は、ゴルフをしない人にもこの上ない贅沢といえるだろう。夕日が沈んだあとには満天の星空も待っている。街灯やネオンにあふれた都市部ではプラネタリウムでしか見ることのできない星の煌めきに圧倒される。