名古屋の玄関口様変わり「JPタワー名古屋」11日竣工
中部地方最大の都市である名古屋の代表駅であり、新幹線なども停車する同地方最大のターミナル駅として知られる愛知県の玄関口とも呼ばれる名古屋駅。近年、周辺の再開発により変化が著しい中、11日に竣工を迎える「JPタワー名古屋」でこのほど、施設内覧会が行われた。
名古屋駅の「顔」と人々の動線変化
2010年に都市再生特別地区として、都市計画が決定された名古屋駅エリア。今年11月から順次開業予定の「大名古屋ビルヂング」、2016年にはJPタワーと貫通通路で連結し一体的な都市計画により建設中の「JRゲートタワー」が開業を控えるなど、今年から2016年にかけ、名古屋駅前の大型商業ビルが続々とオープンし、名古屋駅の「顔」と人々の動線が変化する。 「JPタワー名古屋」は名古屋駅の北側に位置し、旧名古屋中央郵便局名古屋駅前分室の跡地と名工建設の所有する敷地に、日本郵便と名工建設との共同事業により建設を進めてきた超高層ビル。完成後はJR名古屋駅から地下通路で直結し、2017年に運用を開始するバスターミナルとの交通結節点の機能を併せ持つアクセス良好なオフィスビルとなる。
帰宅困難者の一時待機場所としての役割も
名古屋駅周辺は緑地が少ないといった問題点を考慮し、新幹線駅から見えるビル外壁面への大規模な壁面緑化を施すほか、歩道やオープンスペースなどに植栽をあしらうなど、環境にも配慮したつくりとなる。 また、1階から3階に吹き抜けるアトリウムは、待ち合わせやイベントスペースとしての機能だけでなく、災害時などには帰宅困難者の一時待機場所としての役割も持つ。 全面開業は2016年4月、地下1階から地上3階に入居する商業施設「KITTE名古屋」は2016年6月にオープンする予定。KITTEは来春、名古屋に一歩先駆けて博多にオープンする予定で、名古屋は全国3番目の出店となる。 5階から39階までのオフィスフロアを擁し、名古屋駅地区だけでなく、中部圏で最大規模の商業ビルとなるJPタワー名古屋。12月には郵便局・ゆうちょ銀行が営業を開始する。 竣工記者発表会では、総工費、入居テナント数についての具体的な公表はなかったが、「入居契約状況は好調」と日本郵便不動産部長、野村氏は言う。なお、ビル全体でおよそ8000人の就業人口を見込む。 とかく比較される栄地区(名古屋市中区)とのビジネス拠点争いは今後どのような様相を見せるのだろう。動きを注視したい。