逆転勝利を収めた那覇西、キャプテンの山川が値千金の決勝点!
点の取り合いとなった激戦に終止符を打ったのは那覇西(沖縄)のキャプテンであり、司令塔の山川樹(3年)だ。試合終了間際の79分、左CKのボールをファーサイドで待ち構え、押し込んだ。 【フォトギャラリー】明桜 vs 那覇西 折り返すか、自分で打つか。 ゴールに向かってそれほどシュートコースがあったわけではないが、山川は後者を選ぶ。キッカーの上地悠智(3年)に「ファーにけってくれ、と合図していた。相手をニアに引きつける味方の動きもあって、自分のところにチャンスがきた。みんなの気持ちが生んだゴール」と、会心の笑顔を見せる。 ただ、先手を取ったのは27年ぶり4回目(旧校名の秋田経法大附時代を含む)の選手権出場となった明桜(秋田)だ。立ち上がりからつばぜり合いが続き、こう着していたが、20分にボランチの田村仁志(2年)が均衡を破ると、その6分後にFWの田中将太(2年)がヘッドで決め、2点のリードを奪う。 エンジンのかかりが遅かった那覇西を尻目に試合のイニシアチブを握った。明桜の原美彦監督は「攻撃においても守備においても自分たちから積極的に仕掛けるサッカーを目指している。そういう姿勢は見せられたのではないか」と、胸を張った。 前半のうちに1点を返され、後半すぐにPKから失点し、振り出しに戻されるが、62分に佐藤嵐(2年)が相手のちょっとしたミスに付け込み、3点目をゲット。2年生主体といっても差し支えない明桜が初戦突破をグッと引き寄せた。が、しかし、終盤に痛恨の逆転劇を許してしまう。 「歴代のチームのなかでもいちばん攻撃力があると思う」 値千金の決勝点をマークした那覇西の山川はこう自負するが、それを見事に結果で示した格好だ。 「(試合の入りのところで)初戦の硬さがあったかもしれない。少しずつ試合に慣れていき、もりかえすことができた。3点目を奪われて、ちょっと厳しい状況になったけれど、心折れることなく、選手たちは最後まで戦ってくれた」(那覇西・平安山良太監督) 2年ぶり17回目の選手権出場の那覇西が2回戦にコマを進めた。次なる相手は難敵中の難敵、市立船橋(千葉)だ。 (文=小室功)