【しょうが】スライス、すり下ろす?加熱、生?「食べ方によって変わる効能」を最大限に引き出す方法
多くの薬効成分を持ち、中国では紀元前から薬として利用されてきたというしょうが。生食と加熱では成分も変わるといいますが、加熱と生、すりおろしなどどんな風に食べるのがよいのでしょうか。 <写真>【しょうが】スライス、すり下ろす?加熱、生?「食べ方によって変わる効能」を最大限に引き出す方法 ■しょうがは細かくするほど効果的! しょうがには200種類以上もの香り成分が含まれているといわれており、魚や肉などの臭みとりに利用され、中でもジンギベレンやシトロネラールには胃腸の機能を高める作用が期待されています。 香り成分の効果は細かくすればするほど発揮されるため、すりおろしやみじん切りがおすすめです。また、皮の近くに集まっているため、皮をむかずに皮ごと使うようにしましょう。 ■加熱する?生で食べる?しょうがの効果は加熱で変化する? 辛味成分は「ジンゲロール」とよばれるもので、抗酸化・抗炎症作用、体熱産生作用、抗菌作用などがあることで知られています。そして、加熱・乾燥加工することで「ジンゲロール」は「ショウガオール」という成分へと変化します。どちらも血行促進して体を温める作用がありますが、ジンゲロールの方は抹消から温める効果が、ショウガオールの方は体の中心からポカポカするといった違いがあるといわれています。そして、ショウガオールは、ジンゲロールよりも抗酸化性や体温保持効果などが高いともいわれています。 ■ショウガオールをアップさせるには 薬膳の考え方でも、生のしょうがの「五性(食べ物の持つ性質を「熱性・温性・平性・涼性・寒性」の5つに分類したもの)」が「温」なのに対して、しょうがパウダーは「熱」とされており、乾燥しょうがの方がより体を温める効果があると考えられてきたことがわかります。 「ジンゲロール」を「ショウガオール」へと変化させる方法について、家庭内での調理においてショウガオールを大幅に増加させるのは難しいといわれていますが、おすすめの方法がこちら。 ・薄切りにしたしょうがをカラカラになるまで天日干ししてフードプロセッサーで粉末状する ・すりおろししょうがを軽く乾煎りする (※いずれも密閉容器で保存して早めに食べきりましょう) ・蒸し料理のトッピングは蒸す前に 様々な効果が見込まれるしょうがは、胃への刺激が強いので食べ過ぎには注意が必要です。農林水産省のHPでは、1日の摂取量の目安は10グラムが推奨されています。上手に活用して美容や健康に役立てたいですね。 参照: ・「色の野菜の栄養事典」 X-Knowledge ・「野菜の栄養素まるごと便利帳」 X-Knowledge ・「日本の食材図鑑」新星出版社 ・「五性五味帰経がひと目でわかる 食品成分表」 池田書店 ・「食材大全」NHK出版 ライター/大槻万須美 管理栄養士・フードスタイリスト・腸内ケアフードアドバイザー。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、離乳食講座などの料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。 協力/NS Labo
NS Labo(栄養サポート研究所)