マー君が球界最高の「年俸9億円」で楽天復帰、税金はどうなる?
ヤンキースをFAになった田中将大投手(32)がプロ野球・楽天に復帰することになり、大きな話題になった。 契約は2年契約、年俸9億円+出来高と報じられてる。巨人の菅野智之投手の年俸8億円を超える巨額のもので、日本球界史上最高とされている。 ちなみに、田中投手は昨年、米大リーグで日本人最高の今季年俸2300万ドル(約24億6400万円)だったが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う試合数の削減で、37%となる851万ドル(約9億1200万円)だった。金額的には横ばいともいえる。 日本球界に復帰することで、税金問題も気になるところだが、いくら納税することになるのか。鈴木宗也税理士に聞いた。 ●ざっくり計算すると・・・ そもそも、9億円+出来高の年俸をもらったらマー君の税金って、どれくらいだと思いますか。 答え・・・税金は約5億円です。 年俸9億円でも、税金を約5億円払います。 手取り額は、なんと半分以下の「約4億円」です。 (前提) 年俸9億円+出来高2000万円(仮) 経費▲2000万(仮) 所得(儲け)9憶円 細かい計算は抜きにして、ざっくりと計算すると、所得税が約4億円+住民税が約9000万円=税金の総額は4.9億円(≒約5億円)となります。 ●累進課税制度により、所得税は45% なぜ、もらった年俸の半分以上の税金が掛かるのでしょうか。 プロ野球選手は、球団の社員ではなく個人事業者(自営業者)として、所属球団と業務契約を結んでいます。個人事業者は、確定申告を行うことになります。 確定申告は、1/1~12/31までの売上(年俸)から、掛かった経費を差し引き、所得(儲け)を計算して、その所得(儲け)に税率を掛けて、税金を計算します。 日本の所得税は、累進課税制度という採用しています。累進課税制度とは、所得(儲け)が多い人は多くの税金を払い、所得の少ない人は、それなりの税金を負担するという制度です。 個人を対象とした所得税の税率は、5%~45%までの7段階あります。もし、年俸-経費=所得(儲け)が9億円だとすると、ざっくり45%の所得税がかります。 さらに45%の所得税に追加して、住民税という都道府県と区市町村に納める税金が、約10%掛かります。 ということは、マー君の税金は、年俸-経費=所得(儲け)9億円に対して、ざっくり所得税45%+住民税10%=「約55%」となります。 結果的に、年俸の半分以上の税金を納めることになってしまいます。 ●もし3年目以降も日本でプレーするなら、消費税も さらに、日本で3年目以降もプレーすると、3年目からは消費税の納税が必要となります。(細かい条件は割愛します) 仮に、3年目の所得(儲け)が同額の9億円だとすると、3年目に支払う消費税は、ざっくり9000万円となります。 マー君は、野球はもちろん、納税という視点からも日本の宝ですね。 年俸9億円、夢があって素晴らしいですね! 私も小学生のときは、いつかヤクルトスワローズからドラフト指名されることを夢見ていました。 【取材協力税理士】 税理士 鈴木宗也(すずき・むねなり) 横浜市と神奈川県大和市、2拠点を構えるビジョン税理士法人の代表税理士。スタッフ27名(うち税理士7名・社会保険労務士1名)で中小企業の成長を本気で応援しています。ビジョン式「月次決算書」と「経営計画書」で、会社の明るい未来創りをガッツリ、サポート! 週末は神奈川県藤沢市の少年野球チームで監督をしています。 事務所名 : ビジョン税理士法人 事務所URL: https://suzuki-tax.net
弁護士ドットコムニュース編集部