【低価格路線でも最高益】“安くて美味しい”サイゼリヤの中でも「これを頼まれたら赤字になる」超お得メニューはなにか? 答えは創業者の言葉にあった
赤字覚悟の食後酒・グラッパは欠かせない存在
つまり、創業者である正垣氏の頭の中には、王道のイタリアンレストランが原風景として存在しており、赤字覚悟の食後酒・グラッパはその中で欠かせない存在となっているのだろう。その意味では私もドリンクバーの炭酸水をよく飲むが、炭酸水を飲んでいると不思議とフレンチやイタリアンのちょっといいお店を楽しんでいる感覚にならないこともない。メニューもよくよく考えると、頼み方次第ではイタリアンレストランのコースに匹敵するようなメニューが散りばめられているようだ。 まとめると、お客はグラッパを飲み続け、合間にカフェオレを挟むというやり方が、もっともサイゼリヤの経営を苦しめるのではないかと思う。もちろん、「安くて美味しい」サイゼリヤが苦境に陥るのはお客としても喜ばしいことではないから、このやり方を推奨するわけではない。 ただ、お腹いっぱい食べた後に、40度のグラッパに挑戦するのは、イタリアンレストランとしてのサイゼリヤの価値を再発見することにつながるだろう。 【プロフィール】 小倉健一(おぐら・けんいち)/イトモス研究所所長。1979年生まれ。京都大学経済学部卒業。国会議員秘書を経てプレジデント社へ入社、プレジデント編集部配属。経済誌としては当時最年少でプレジデント編集長就任(2020年1月)。2021年7月に独立して現職。