ロードスターとアストン、フェラーリ、カウンタックの共通点
―[道路交通ジャーナリスト清水草一]― 日本の自動車産業は、今こそ黄金期にある。カローラ(販売台数世界1位)やRAV4(販売台数世界3位)のような、世界中で売れまくっている量販車はもちろんのこと、ハイブリッドカーやEV、燃料電池車はすべて日本車が世界に先駆けた。それでいて、超ニッチなスポーツカーもちゃんと作っている。 ⇒【写真】300万円以下で手に入るロードスター 日産GT-Rは、騒音規制の強化によって間もなく消滅する運命だが、日本にはマツダロードスターとホンダS660という、後輪駆動の2人乗り小型軽量スポーツカーがある! こんなのは日本車にしかない! 今やスポーツカーは、世界中で富裕層しか買わなくなり、安いモデルはほとんど消滅した。そんななか、庶民でも買える安くて本格的なスポーツカーを今でも作っているのは、世界中で日本だけなのです!
世界中のディープなカーマニアが愛するロードスター
S660は軽自動車なので国内専用だが、ロードスターはその7割以上が輸出され、世界のカーマニアに愛されている。 現行ロードスターが発表されたのは2015年5月。間もなく6年になるが、その間、約18万台が販売された。内訳は、欧州が6.8万台、北米が5.4万台、日本が3.5万台。新興国向けはほんのわずかで、ほとんどが先進国向けだ。つまり、自動車文化が成熟し、ディープなカーマニアが育っている地域で愛されている。 フェラーリやランボルギーニは、新興国でも富の象徴として愛されているが、ロードスターはもっとはるかにピュアな存在。こんなクルマが300万円以下から買えるんだから、カーマニアとして涙が出ます。 そんなピュアで清楚なロードスターだが、実はこのクルマ、超本格派だけに、スーパーカーに近い部分がいっぱいあるんですヨ!
ロードスターはアストンマーティンのように美しい!
まずデザイン。ロードスターは、2016年のワールド・カー・オブ・ザ・イヤーとワールド・カーデザイン・オブ・ザ・イヤーをダブル受賞するなど、デザイン面でも世界的な名声を得ているが、私はロードスターを見るたびに、「アストンマーティンみたいだ……」とウットリする。具体的には、アストンマーティンDB11ヴォランテにそっくりである。 ね、似てるでしょ? いわゆるコークボトルのようにキュッと締まったウエストライン、そしてキュッと跳ね上がったヒップライン。サイズは違えど。これぞ全人類がセクシーと感じる普遍的フォルムである。 そっくりというと、「マネ?」と思われるかもしれないが、ロードスターのほうが先に出ているので、仮にマネしたとしたらアストンのほうですかね? でも、そういう低次元な話ではなく、人類共通の美意識といいますか、黄金律なのだと思います。 ちなみに、アストンマーティンDB11ヴォランテのお値段は、2516万円から。ロードスターは260万円から。10分の1でアストン以上の美が買える……。