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年5冊なら読書家なの??  まずは数字を疑え!「本当にそうか」が導く「解決への道」

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NIKKEI STYLE

《連載》仕事で差がつく!ビジネス思考法

いよいよ、読書の秋です。皆さんは、年間に何冊くらい本を買っていますか。こんな怪しげなコラムよりも、本を読んだほうが思考力が高まるかもしれませんよ。 全国出版協会の統計によると、2019年の書籍の総販売金額は6700億円だったそうです。乳幼児と超高齢者を除けば、1人当たり7000円くらい本を買っている計算になります。単行本なら5冊くらいに相当します。それくらい本を買っているでしょうか。 そう言われて、「私はそれ以上だから大丈夫」とか、「もっと本を買わねば」と思った方は、ぜひこのコラムを最後まで読んでください。もっと「批判的思考力」を身につけるべきかもしれません。

■数字の前提を疑う

まずは、数字の前提を疑ってください。ここで言う書籍は、本の問屋(取次)を通して販売されたものだけです。アマゾンなどと出版社が直接取引している分は含まれていません。 同様に、電子出版の書籍もコミックの単行本も入っていません。それらを全部足し合わせると、販売金額はかなり膨らんできます。一般の人には分からないからくりが隠されているのです。 もっと重要なのは、「平均と比較することは妥当なのか?」です。本は、読む人と読まない人がハッキリ分かれます。一部の読む人は年100冊くらい買うものの、大半は1~0冊だと思います。嘘だと思ったら身近な人に尋ねてみてください。平均の5冊という人はほとんどいないはず。 しかも、本を読めば本当に思考力が高まるのでしょうか。たしかに、本をよく読む人に頭の切れる人が多い気がします。でも、頭が切れるからたくさん読んでいるのではありませんか。少なくとも、思考力が高まるような読み方をしないと、上がるものも上がらないのではないでしょうか。

■建設的な批判が思考を鍛える

こんなふうに、書かれたことを「なるほど」「そりゃそうだ」とうのみにしていたのでは、思考力は高まりません。情報量は増えたとしても、処理能力が上がる保証はありません。 物事を疑ってかかりましょう。少し「あまのじゃく」になって考えるのです。 これが“狭義”の「批判的思考」(クリティカルシンキング)です。健全な批判精神を用いて、思考のゆがみや偏りにまどわされることなく、物事を適切な筋道で考えることです。 もともとは、論理的に考えること自体をクリティカルシンキングと呼んでいました。広義には論理思考全般を意味する言葉だったのです。 ところが、2000年頃に「ロジカルシンキング」という和製英語(今では英語の辞書にもあります)が生まれ、その座を取って代わられてしまいました。それ以降、「批判的に」という部分に重きをおいて、この言葉を使うことが多くなりました。 今回は、狭義の批判的思考についてお話をしていきます。自分や相手の考えに疑問を投げかけ、「本当に正しいと言えるのか?」「より妥当な考えはないか?」を探究する思考法です。 目的は、言いがかりをつけてつぶすことではありません。真実や真理を見つけ出すために、あえて建設的な批判を試みるのです。これを使えば、本を読みながら思考力が高まっていきます。冊数もさることながら、読み方がポイントだというわけです。

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