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「排泄予測デバイス」手がける異色企業の正体

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東洋経済オンライン

 アメリカのラスベガスで開催される、世界最大のテクノロジー見本市「CES 2020」の中で、ひときわにぎわっていた日本企業のブースがある。筆者が話を聞こうとしても、人垣でなかなか中に入れなかったほどだ。 この記事の写真を見る  その企業の名前はTriple W(トリプル・ダブリュー・ジャパン)。2014年設立のベンチャー企業で、排泄予測デバイスの「DFree」を開発、販売している。尿意を感じにくい人が、DFreeの小型センサーを膀胱の辺りにつけると、尿量がモニタリングされる。尿が一定量となると「そろそろトイレに行きましょう」とアラームが鳴る。Triple Wは個人向けと、複数人のデータを管理できる法人向け製品を販売している。

■社会課題解決志向を持つ  DFreeは、フランスや中国、アメリカなど世界各国の受賞歴もある製品だ。ただ、こうした製品の独自性以外に、Triple Wが「ラクダ型のスタートアップ」であることも、同社の特徴の1つにある。今回は、同社への単独取材から、ベンチャー企業の成長のヒントを探ってみようと思う。 「ラクダ型スタートアップ」は、以前の記事でも紹介したように、社会課題解決志向を持ち、自社技術やサービスの研究開発をしながら、安定した経営を目指すスタートアップの手法のことを指す。規模や資金調達自体が目的になり、赤字も増えがちな、いわゆるシリコンバレーのユニコーンモデルとは真逆と言ってもいいだろう。

 ラクダ型スタートアップの多くは、国際的視野を持つ起業家や社員(「クロスポリネーター(cross-pollinators)」:異花受粉したような国際的で多様な経験を持つ人々)から構成されており、最初から世界各地に会社の機能を分散させている。現在では日本でも、世界中で展開しているラクダ型スタートアップが少しずつ増えていると言われている。  Triple Wの中西敦士社長も国際的で多様な経験を持ち合わせている人物の1人だ。起業家だった祖父やビル・ゲイツの影響を受けた中西氏は、小さい頃から自身も起業することにあこがれを抱いていた。そんな中西氏は社会人になり、コンサルタントとして勤務した後、青年海外協力隊のメンバーとしてフィリピンで生活。その後アメリカ留学に行くが、留学中に、「失禁の解消」が大きな社会課題解決につながるとひらめき、2014年に会社を設立した。

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