6年前、台風による災害対応の後、脳出血で亡くなり、その後、公務災害と認定された田辺市の元危機管理局長の妻ら4人が、田辺市を相手取り安全配慮義務を怠ったとして、損害賠償を求める訴えを和歌山地方裁判所に起こしました。 訴えを起こしたのは、田辺市の危機管理局長を務めていた、中野典昭さん当時57歳の妻と息子ら4人です。 中野さんは、平成30年8月に接近した台風の災害対応を指揮、休息仮眠をとることなく33時間を超える長時間勤務を終えて帰宅した後、脳出血で亡くなり、令和2年6月、公務災害に認定されました。 今年7月、遺族が安全配慮義務を怠ったとの指摘し、協議の場の設置を求めたのに対し、田辺市は「怠りはなく、法的責任を負うものではない」と回答。 これを受けて遺族は、今日、田辺市を相手取り、7146万円あまりの損害賠償を求めて提訴したものです。 中野さんの妻「職責以上の付加がかかったということが、報告書に記されていたので「ごめんなさい。今まで認識不足でした」という一言で片付けられたので、一生懸命夫が働いたことを認めて下さっていない。市には責任がないということですので、提訴になりました。健康の配慮の対応はどの自治体にもできるように、私たちのような悲しい出来事が、二度と起こらないようにと思います」 提訴について田辺市は「訴状が届いていないので、コメントは差し控えさせていただきます」としています。