「自宅療養者」を置き去りにしない...京都府で民間医師らの『訪問診療チーム』が患者対応
自宅療養中の新型コロナウイルス患者の死亡が各地で相次ぐ中、京都府は民間クリニックの医師らが患者の自宅を訪れて治療を行う「訪問診療チーム」を立ち上げました。 【映像】感染症対策をとりながら訪問を行うチーム
24時間訪問診療できるように“詰め所”で寝泊まり
京都府では年末年始、自宅療養をしていた入院待ちのコロナ患者2人が死亡しました。自宅療養者をこれ以上置き去りにしないよう、府は民間クリニックに呼びかけ、全国でも珍しい「訪問診療チーム」を立ち上げたのです。
2月9日、訪問診療を前に、京都市内でチームの医師が看護師や薬剤師とミーティングを行っていました。患者の自宅で行う診療では独自の感染防止策が必要となります。
(感染防止策について看護師らに話す「よしき往診クリニック」の宮本雄気医師) 「『きょうはどうされましたか』と膝をつくと汚染するので、ここは気を付けたほうがいいかなと。上から目線になってしまうが、そこは申し訳ないけれど『膝をつけないのでごめんなさいね』と言うしかないのかな。」
ミーティングを行った場所はクリニックではありません。院内感染のリスクを下げるため、別の場所に作られた“詰め所”です。医師らはここで待機して、いざという時に備えて24時間訪問診療できるように寝泊まりしています。
車内で防護服に着替えて訪問
そして午後1時ごろ、訪問診療へ向かいました。診療の対象は概ね75歳以上の高齢者で、容体が安定しない患者もいることから、車内には点滴や酸素吸入器なども準備しています。
最初に訪れたのは高齢女性を含む家族4人。全員がコロナに感染して自宅療養をしています。患者の風評被害を防ぐために、防護服への着替えは車内で行うなど気を配ります。
(訪問診療を行う宮本雄気医師) 「こんにちは。どうも。きょうも来ました宮本といいます。どうです?お母さん。煮付けってカルテに書いてあったけれど、大根の煮付け食べたのかな?横になったらめっちゃせき出て寝られないとか、そういうことがあったらステロイドかなと思っています。」 診療は30分ほどで終了。家族4人のうち1人については症状が良好なことから、保健所に隔離の解除を求めることに決めました。