50代なぜか増える「顔のできもの」<医師が治療法を解説>
アラフィー世代になるとなぜか増えるのが”顔のできもの”。年齢を重ねるにつれ、できものができやすくなる理由とは?この”できもの”の正体は?治療法は?そんな疑問や悩みについて専門家の先生にお話しを伺いました。 【写真】50代から増える「顔のできもの」
ポツポツとした白い粒状の「稗粒腫(ひりゅうしゅ)」
稗のような白い粒状の「稗粒腫(ひりゅうしゅ)」は、まぶたなど目のまわりにできやすいのが特徴。気になる場合の治療法を専門医がお教え。 目のまわりにできることが多いポツポツとした白い小さな粒状の良性腫瘍 稗粒腫(ひりゅうしゅ) 「真皮内にできる1~2mm以内のケラチン物質や細い毛が入った袋状の良性腫瘍で、女性に多く見られます。稗(ひえ)のような白い小さな粒状で、多数できることもあり、多い例では数十個以上できていたケースもあります。まぶたにできることが多いほか、頬、額、陰部にも発生。生まれつき稗粒腫がある場合もありますが、水疱症などの皮膚がはがれるような疾患や、傷などの治癒の過程でできることもあります。真皮の浅い部分にできた袋状の腫瘍なので、皮膚科で注射針やCO2レーザーで穴をあけて、中の白いかたまりを取り出せばきれいになります」 稗粒種は、まぶたなど目のまわりにできやすいのが特徴。まぶたをこすったり引っかいたりしたときの刺激が原因でできやすい。
《治療法》
●治療法1● 針を刺す 「注射針で小さく穴をあけ、中の白い角質を圧出する方法。小さいものなら傷は1~2日で閉じ、きれいになります。自分で行うと傷あとが残るので必ず皮膚科で行って」 ●治療法2● CO2レーザー 「針で稗粒種を取り除くと、角質をつくる袋が残り、再発することがありますが、CO2レーザーなら袋ごと角質のかたまりを取り除くので再発の心配がなく確実です」
少し隆起した肌色、茶色、黒色のイボ「脂漏性角化症」
皮膚の表面にできる代表的なできものの一つ、脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)は、少し隆起していて表面がざらざら、でこぼこしているのが特徴。良性腫瘍なので必ず治療の必要はないものの、見た目が気になる場合の治療法や、とても似ていて間違いやすい“皮膚がん”との見分け方を専門医に伺いました。 頭や顔など日光が当たる部位にできやすい少し隆起した肌色、茶色、黒色のイボ 脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう) 「脂漏性角化症は表皮の良性腫瘍の一種。老人性イボともいわれ、老化現象のひとつですが、体質によっては20代ごろから徐々に増えてくることも。少し隆起していて表面がざらざら、でこぼこしているのが特徴で、色は肌色から薄茶色、焦げ茶色、暗黒色などさまざま。頭や顔、首、手の甲など手のひらを除くあらゆる部分にできます。遺伝的素因や、日光(紫外線)による光老化でできるとされ、特に日光に当たりやすい顔、頭、首、背中、手の甲によく見られます。最初は1~2mm程度と小さいのですが、徐々に大きくなって隆起し、大きいものだと2~3cmほどになることもあります。良性腫瘍なので必ずしも治療の必要はありませんが、顔や手の甲などにできて見た目が気になる場合や、髪をとく際に引っかかるなど生活に支障をきたす場合に治療を受ける人が多いようです」